とっぷ壊殻の海ノ物語遊戯王BrowsingU


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#088.シロクロゴーロ B/高宮母娘とズァークの記憶

p.1 【2018.9.15.Sat.】
「あっ」「使わなかった…」
 LP →4750

「まだ居ますからねぇ グレイドル・イーグル!」

p.1b 
「A魔法『起死回生』 戦闘するモンスター1体の攻撃力を800アップ!」 攻 →500 →1300
 LP →3450  攻 →20000 「……」 p.2  「…… 残る1枚は其処だけど 貴方はAカード取らなくってイイの?」 「お構いなく Aカードの為に位置を変える気は在りません… 取れる範囲に在るなら取りますが」 「――そう」じゃあ 遠慮なく. 「図太いな… まぁ相手に合わせてカード取らないとか言ってたら負けるんだけど」 「そうねぇ… それに在るカードは全部使わないと損だわ  Aカードってタダじゃないのよ! RSVの利用料金の中にキッチリ含まれてるんだから!」元は取らなきゃ! 「…… そうだなぁ」 p.3  「アドバンス・ディボーター 竜胆ブルームの効果で攻撃力2000!」 攻 →2000 「此処でA魔法『逆転』! 攻撃力と守備力を入れ替える」戦闘するモンスター1体の 攻 →800  LP →2650 「ふむ… このターンで仕留められると思ったんですが」 「言うわねぇ」  (45分頃、13:15頃) p.4  「仕方がない… トドメは韮井君に譲りますよ 今はメンタルスフィア・デーモンで」 攻 →2300 「高宮試験官にダイレクトアタック!!」 「A魔法『回避』!!」 p.5  「わ 何… 岩のオブジェクトが粉々に」 「あっぶねぇの」 つか「Aカードが隠れてる岩だったらどうすんだよ」 「多分… それには当たらないようプログラムされていると思います」 「そうか?」 「その代わり… フィールドからAカードが取り尽くされたらモンスターが暴化するって」 p.6  「…… 暴化?」 「そう見せ掛けて デュエル終盤を盛り上げる演出らしいです DMBでは結構よく在る仕様ですよ」 「ふむ… 確かに このカードはDMBに際して手に入れた物だったな 不動の心を試す為のものでもあったが…  そういうプログラムが隠されておったのか」 まぁ「僕のターンはこれで終わりですから 別にそんなプログラムなんて気にし――」  はっ いや「気にする! 韮井君 ちょっとタンマです!」 p.7  「俺の番か! ドローだ!」 「あの位置って…」 うん「ノッポさんのモンスター達に当たるよね」 でも「あのゴツイ人 そういう事 見てなさそう」  〜♪ 「フロント・オブザーバーを守備表示で召喚!」 Lv4 守1500 「罠モンスター『機動砦 ストロング・ホールド』を特殊召喚!」 Lv4 守2000 p.8  「レベル4のホールドとディフェンダーでオーバーレイ!! 出でい! 金剛貴石 甲羅食材」 食う気か!? エクシーズ召喚 No.52 ダイヤモンド・クラブ・キング!! ランク4 攻0 わぁ「カニさんだ――」 「…… 思いっ切り 前見て歩かないよね」 「嗚呼」 攻撃力0と言う事にはツッコまない. p.9  「あのぅ… ですねぇ 韮井君?」
「ダイヤモンド・クラブ・キングの効果発動! 1ターンに1度 X素材を一つ使い
 このカードの守備力を0に 攻撃力を3000にする!!」

 攻 →3000 (守 →0)
「貴方も突っ立ってないでどっか動いて下さいよ!!」 うーん「貴方が動くなら そうしようかしら」 そんなー 「バトルじゃ! ダイヤモンド・クラブ・キング 相手プレイヤーに直接攻撃!!」  ガハハ ※竜胆ブルームの効果で 攻 →3000(守 →0)に★ p.10  「ッ」 ふぅ「おめでとう… 3人とも合格よ」 LP →0 「よっしゃ!!」 「オスッ」  WIN 「あ… そうか別に 味方同士で戦闘する訳じゃないのか」 「未熟ぞ 水谷 これからももっと精進せい」 「はいっ!」  (13:20前) p.11  「負けちゃったか… けど面白かったよ 高宮さん」 「…… そう」 「あのさ…」えっと「クリアウィング・ドラゴンって いったい 何時 何処で 手に入れたカードなの?」 「……  御免なさい 忘れたわ 他のカードと一緒に 高校生ぐらいの時から使ってるって事は 分かるんだけれど…  普通にパックだったんじゃないかしら?」 「そう…ですか」 《ホントだったら安いねクリア》 《うるせぇ》 「思ったより汗を掻いたわね… 権現坂さん シャワーお借りして宜しいかしら」 p.12  「ウチにはシャワーは在りませんが お風呂なら 何時でも入れる状態にしてありますので 其方を使って構いませんわ  ただ… お着換えの方が…」 嗚呼「お構いなく 娘に持って来させますわ」 「そうですか では此方の方です ごゆるりと」 「――ええ」 うーん「高校生か…」 《それなりに昔の話だろうねぇ》 うん 《…… ユーゴの方は… 何時何処で手に入れたカードだったんだ? もし同じ発売時期のパックなら…  それなりに辻褄は合ってくると思うが》 p.13  《それは… クリアウィング・ドラゴンが他にも在った量産型のカードだったのかって言う意味か》 《…嗚呼》 《他のを見た事はねぇんだけどな 物心ついた時には持ってたし》 そっか 「ユーゴのクリアウィング・ドラゴンは… 今はクリアウィング・シンクロ・ドラゴンなんだよな?」 《嗚呼》 「それじゃ… あの人の持ってるクリアウィング・ドラゴンって」  ? あー《ユーゴのドラゴンの方は知らないけどさぁ クリアウィングは元々百合のカードだよ  ズァークは百合からそのカードを受け取って シンクロ召喚を扱うようになったんだ》スグじゃないけど p.14  《…… それは高宮プロがデュエリストに成らず ズァークのマネージャーに成った場合の出来事でも在ったな》 「嗚呼」 《プロフェッサーの話では… かつてズァークが次元分裂を引き起こした際に 時間が巻き戻されていたようだ》 「…嗚呼」 《本来の歴史でズァークが百合からクリアウィングを受け取って… 巻き戻された時間の方では百合はクリアウィングを持ったまま  その一方で過去に戻ったズァークの分身… つまりユーゴが百合からもらったクリアウィングを受け継いだ  そう考えれば2枚在る辻褄は合ってくるんじゃないのか?》 そっかー p.15  「…… だけど… それってクリアウィングを持ってない『ズァーク』がこの時代に居るって事じゃないのかな?  プロなのかデュエリストなのかは分からないけど」  ? 《……》 「遊矢? 何一人でブツブツ言ってるの?」 「えっ…と…」 「まぁどうせ 例の3人と喋ってたんでしょうけれど あんまり人前でやらない方がイイわよ 変に見られる事は確かだし」 「……」 「何やってんだ? さっさと決めろよ」 「えっ?」 「嗚呼それと 今からチーム戦やるのよ 人数多いからベーシックでライフ1000の変則デュエルだけど  …遊矢もやるでしょ」 嗚呼 勿論 p.16  「それじゃあ 突発 沢渡杯 開始 優勝チームには此方のLモンスターデッキを進呈しよう」 「何で アイツが 仕切るんだか…」 「けどまぁ 新しいカードは欲しい」 「…… デュエルは終わったと聞いたのだが」 あっ「兄様」 「零児!」 実はさー ふむ p.17  「あっ  君だね 高宮プロの娘さん」 「…はい」 「お母さん今 お風呂の方 入ってるから 上がるまで君もデュエルやらない?」 「……  結構です デッキ持ってきてませんし…」 何だ「デッキぐらい貸すよ?」 あっ「その子? 今日来てる試験官の娘さんって」 上がって上がって p.18  可愛いー いらっしゃーい 「…… 高宮」 「零児様!?」 「私の知人だ 済まないが通してくれないか」 「はい」 「へぇ 君が高宮さんの娘さん? お母さん今 お風呂入ってるからさ 上がるまで俺達とデュエルやらない?」 「…… 彼女はベーシックはしない主義だ」 あっ「じゃあAデュエル?」 「それもしません リアルのデュエルって嫌いなの」 「?」 p.19  「遊矢 お前の番だぞ」 うん」 「…… 直に会うのは初めてだったな そう言えばデュエルは 母親から教わったと言っていたか」 「…はい プロデュエリストの高宮百合が 私の母です」 「……」 「母は何処ですか? タクシーを待たせているので 早く戻りたいんですが」 「――嗚呼 すまない ……  柊柚子 悪いが高宮プロ様子を見に行ってくれないか?」 えっ「私?」 「男が行くのは失礼だろう」 まぁ… p.20  「その制服 私立の お嬢様学校の制服じゃん 流石に零児の知り合いだなー 高宮… 高宮  あっ! そうかアンタ 高宮タカミヤ電機の!」 えぇ「まぁ」 「高宮タカミヤ電機?」 「先輩 元LDSの生徒のクセに知らないんですかー?」 「駄目ですねー」 「……」 「レオ・Coの製品を販売している大手ショップの一つだ」 「……」 p.21  「LDS出て スグ其処のビルに在る店だよ Dディスクとか売ってるトコ 知らねーのか!?」 「そっちは多分 僕の家と反対方向の入口なんじゃないのかなぁ…」 あーん? 「あ でも 何度か行った覚えは在ります そう言えばそんな名前でしたね」 「そう言えば じゃねぇよ 高宮さんに失礼だろー」 「謝れ謝れー」 「! よさんか お前達」 「沢渡っ! また西小蔵さんにちょっかい出して」 「沢渡さーん! 出番っスよー!」 「応」 p.22  「大丈夫? 西小蔵さん…」 「はい」 「高宮さんも御免 変なトコ見せて アイツ 悪い奴じゃないんだけど…」 「フハハハ 待たせたな 動かざる漬け物石どもよ! イエー! 「アクティブ・アクション・スター 沢渡シンゴ様の登場だー!!」 「……」 「時々 見てるわ… 貴方もしょっちゅう やられてるようねぇ」 「えっ?」 いや…「俺は…」 「DMBでの話だ 沢渡シンゴが現実リアルで興味を持っているのは お前たち二人のようだからな」 「興味…と言うか オモチャですけどねぇ」 「……」 p.23  「零児様… 次です」 「嗚呼」 「高宮さん おばさんもうすぐ上がるって」 そう 「案内するわ ついて来て コッチよ」 「ええ」 「……  あの声… 何処かで聞き覚えが在るような」 「えっ?」 「リリーだな」 「リリー!?」 「赤馬零児の知り合いだったか 母親の事は知らなかったようだが…」 p.24  「そうですねぇ 口振りから察するに お父さんとビジネス上の付き合いが在って それがキッカケで知り合った  そんな処でしょうか」 「…… 電機屋の娘か」 「私立の制服だって言ってたけど…」 「恐らく 舞網女学園だろう」 「そうですね この辺でお嬢様学校と言えば」 フン「あんなトコ… 片田舎で_臭い処よ」 「――? 行った事あるのか?」 「別に…」 p.25  「郊外に広い敷地を持ってるって話です 全寮制なんだけど 一部の寮は市街地の駅の近くに分散してたてられているんだとか」 「ふぅん… そう言えば聞いた事あるような 道理で見かけない制服だと思った  ……」 p.26  「零児様がこんな処に居るとは思わなかったわ」 まぁねぇ 「でもそれを言ったら 榊遊矢に沢渡シンゴ そして貴方も居るとは思わなかったわ… ヒメ」 「えっ?」 「私よ リリー デジタル・ランサーズの」 「リリー!?」 「現実リアルで会うのは初めてね… 貴方の事は有名だったから 前から気付いてた」 「そっか… 高宮プロの子供だったなんて偶然!」 「…そうね  でももっと信じたくなかった偶然の一致は この道場ってデカくてゴツくて赤っ鼻の非美形な生徒が居た事なのよ  ねぇ 本当に アレが現実リアルの『ノボル』なの?」 「あ… うん 気をシッカリ持ってね」 そんなーっ p.27 【9.17.Sun.】 「それではお世話になりました」お風呂. 「生徒たちの方にも宜しく」 「――ええ」 「柚子 お前だけか 高宮さんは?」 「今帰って行ったトコ タクシー待たせてるって言ってたでしょ」 「そっか… もうちょっと話したかったんだけどな」あの人 p.28  おい《何 柚子リンの前で 他の女の事なんか言ってんだ 俺はリン一筋なんだからな》 《俺も瑠璃の…》 「べ… 別に そんなんじゃないって」 「高宮さんと話がしたいんなら…」 えっと「今日は4時から4時半まで  明日は4時半から5時までが当番の予定ですねぇ彼女」 あ いや「リリーじゃなくって 高宮プロの方」 そうですか センパーイ「彼女のスケジュール 知ってるんですかー?」 「ソイツがデジ・ランのスケジュール決めてんだよ その件は前に話しただろう 突っ込むな」 へい 「高宮プロに会うのは難しいだろうな… 彼女はこの舞網市に住んではいない 遠くの街で教師をしていて…  普段は其処の職員寮に居ると言う話だ」 そっか p.29  「何だ? そんなに珍しかったか クリアウィング・ドラゴン」 「……」 「それともAデュエルの話題か? 見た事ないデュエリストだったもんなぁ… まぁ 他処の街に居たって言うなら当然か」 「クリアウィング・ドラゴン?」 うん「クリアウィング・シンクロ・ドラゴンにそっくりなドラゴン 高宮プロがデュエルの中で召喚したんだ」 「高宮プロなら この前の合同試験の時に来てたよ まぁ 其処で知り合った… って言えば 知り合った事になるんだけれど」 p.30  「確かに… 君と彼女は 担当の重なる処が1回だけ在ったな」土曜日の4時か 「――嗚呼」 「…… クリアウィング・ドラゴン… 君のクリアウィング・シンクロ・ドラゴンと同じく Sモンスターなのか?」 「そうだ」 「……」 「ユーゴの話じゃ クリアウィング・ドラゴンって言うのは クリアウィング・シンクロ・ドラゴンの元の姿らしいんだ  ユーリが言うには ズァークは元々 あの人からクリアウィングをもらったんだってさ」 「――!! 馬鹿な… 彼女はこの時代の人間だ」 「うん だから RSVの在る時代に居たプロフェッサーが 気が付いたら まだRSVの無い世界に居たって話だっただろう?  その時 つまり 時間が巻き戻ってた事になるんじゃないかって」ユートが. p.31  「百合の話だと… ホントは彼女 デュエリストに成りたかったらしいんだ  だけど成らないで他のデュエリストのマネージャーに成ってた そんな夢を子供の頃 見たんだって」 「……」 「そのデュエリストの事は 名前も分からないんだけど… 俺と顔が似ていて 左右で目の色が違う 紅いドラゴンを持ってたんだって  オッドアイズは俺がプロに成って量産されたみたいだけど… その前って 俺しか持ってなかっただろ?  …無かった筈だ オッドアイズは俺の自慢のエースモンスターだったんだから」 p.32  《世にも珍しい 二色の眼を持つ竜! オッドアイズ・ドラゴン!!》 「アカデミアに… 融合次元に居たプロフェッサーは オッドアイズの事を知っていた あの人 何年もソッチに居て…  俺がオッドアイズを持ってる事なんか 知りようも無かった筈だろう」 「そうだな… 尤も君が ズァークの分身だという事を突き止めた時には 既に調査済みだったかも知れない」 「……」 いや…「各次元で ズァークと同じ顔の少年たちを探した結果  最後の決め手となった事が恐らく ズァークと同じカードを持っている事」 p.33  「……」 「かつて ズァークと合体し… 『覇王龍ズァーク』と成った4体のドラゴン   その内の2体 オッドアイズ・ドラゴンとクリアウィング・シンクロ… いやクリアウィング・ドラゴン  どうやら偶然ではないらしいな… 高宮姫子の話す高宮百合のイメージは  父の話した『百合』とは まるで印象が違っていたから… 有り得ないと候補から外していたのだが」 と 言うか 名前知らなかったから 思い至らなかった. p.34  「零児… 百合の事を知っているのか」 「一通り父から話してもらった 余り理知的で分別の在る印象イメージは無いな」  【9.10.Mon.】 「百合…は… 俺と同様にストリートの出身だった」  エリートになるべく作られた人間 その失敗作として 棄てられた 大勢の子供たち 「似たような奴がいっぱい居て… あちこちでデュエルしてたっけ」 p.35   誰かの捨てたらいカードがあちこちに在って デッキ作るのには そんなに苦労しなかったかな  でも俺 口下手な方だったから 一人じゃ 対戦申し込むのにも 苦労してた 「それでも何とか 相手してくれる人 見付けて… デュエルして…勝って」 《アンタ強ーい! ねぇ アタシと組まない?》 「それからは何時も一緒に居た…」もちろん 24時間じゃないけど 「百合は人脈が広くって 情報通で 俺が対戦相手に困る事は無くなった」 p.36  「……」 「…俺は頭が悪かったからさ デュエル以外にロクに仕事らしい仕事になんて就けなかった  どの道 あの街 酷く機械化されてたから 人間のやる労働なんて 殆ど残されてなかったんだけれど」  高度な文明 豊かな生活 その裏で在り余っていた 人 物 金 p.37  「百合と出会ってなかったら… デュエル出来なくって やる事なくって 退屈で野垂れ死んでただろうなァ 俺」  孤児だけど 食い物は ゴミ箱あされば 充分だった 「運良く マトモな生活が手に入ったとしても デュエリストじゃなく 観戦ばかりの 違う生活になった気がする」  俺達は… 俺はごく当たり前の 人間だった 普通に生きてて 普通に過ごしてた筈だった あの日 実体映像技術リアルソリッドビジョンに 出会うまでは p.38  「わぁ凄い まるでモンスター達が生きてるみたいよねぇ ズァーク」 「…嗚呼」 「これが最近 導入されたって言う… 質量を持つSVを使ったデュエルモンスターズなんだ…  なんかモンスター達 腹の底から声出してるって感じ」イイわねー「今まで録音だったから」モンスターとは別に聞いてたから p.39  「バトルだってそう… モンスターが攻撃受けた瞬間にエフェクトで消えちゃって せめてダウンするまでやってよ!  って思った事ない? ズァーク」 「…… モンスターがダウンするまで?」 「嗚呼… 赤馬零がRSVをデュエルモンスターズに応用した時  バトル後にモンスターが倒れて動かなくなるまで 消滅エフェクトは掛からなかったんだ」 「……」 「其処いら辺が… …… 見ている人の残虐性を刺激したって言うのかな 興奮するスリリングなデュエルだと思った」 p.40  「イイか悪いかは その時には判断つかなかった ただ皆が熱狂してて… 俺自身 あの大舞台に立てたらと思った  RSVでオッドアイズ達と一緒に戦ったら そう考えるだけでワクワクしてた」  体が熱くて 頭が真っ白に成って ただ動く ただぶつかり合う それだけの興奮と快感の世界 p.41  「実際 体育でもAデュエルでも 体 思いっ切り動かすのって気持ちがイイだろう」 「…… まぁねぇ」 「それまでのデュエルモンスターズって 今で言うベーシック系だったから  そういう意味でも ズァークは… 俺はRSVのデュエルに夢中になってた」  気が付くと… 其処其処 名の売れたデュエリストに成ってた もっと上を目そうと  そうしてやがてトップスターとまで言われるようになって  ※注:チャンピオンではない 「…… プロデュエリストの資格などは…」「持っていたのか?」 「それはRSVのデュエルをする為に あのシステムはプロじゃないと使用できなかったんだ  何処にでも在った訳じゃないしな」 そうか p.42  「それでトップに成ってからが大変で… その程度じゃあ 全然 認めてくれないんだよ アイツら  凄いのは システム改良した 赤馬零王の方だって 俺なんて 何時 蹴落とされてもおかしくない 一時的なトップだって」  どんなにイイ戦績を残しても 二言目には赤馬零王の名前が出てくる 俺のデュエルが皆を喜ばせてる訳じゃない  薄々感付いてた… 俺自身も含めて 皆を熱狂させたのは p.43  「俺には… オッドアイズの気持ちが分かった 百合もアイツが嬉しい時 何となく分かるって言ってくれた」  俺達だけじゃない… 割と大勢の人間が モンスター達にも恐怖や怒り 悲しみの感情が在るって事…  デュエルの中で感じ取ってた 「そういう人間臭さ… 生き物らしさみたいな処も RSVのモンスター達が皆にウケていた理由なんだ」  俺は特に「特別」じゃあなかった 凄いのは 世界を変えたのは 赤馬零王 p.44  「俺なんて… タイトル人気守るのに 勝ち続けるのに必死でさ トップ有名人になって 1度負けると 惨めなモンだ」  皆から「後ろ指差されて誰もデュエルの相手してくれなくなるんだよ」  俺の前にトップスターだったって人がそうだった 皆から負けた負けたって噂され続けて…  とうとうノイローゼに成ったって聞いた …… そんな風には成りたくなかった 「百合は… 俺がもっと強ければイイって そうすればそんな事は言われなくなる…  そんな事を言って 俺にあの クリアウィング・ドラゴンのカードをくれたんだ p.45  《コレあげる…》《チューナーは今度 手に入れてあげるわ》 《誰にも負けない 誰にも代わりが出来ない 凄いデュエリスト… 誰もが貴方を唯一無二絶対って思うように》 「そして俺は… 奴らを見返す為に他の2体のドラゴン達も手に入れた 『反逆者』を意味するリベリオン  飢餓と毒を意味するスターヴ・ヴェノム  何時か… 思い知らせてやる そう思い続けてきたのは確かだった だけどその機会を得る前に… 俺は百合と離れてしまった」 p.46  ワァアァア  俺のデュエルスタイルは… その頃にはもう 後戻り出来ないほど 残虐で 勝ち続け 傷付け続ける事でしか…  戦いデュエルでしか 認められないんだろうと思っていた 「いや… あの頃だって 『俺』が認められていたのかどうかは分からない 観客はただ熱狂してた 熱狂して興奮して…  俺はただ その興奮と熱狂の中に居たんだ」 p.47  「赤馬レイと… そう 赤馬零王の娘との対戦予定が入っていた だけど零王は 俺がレイを傷付けるかも知れないって…  直前になって デュエルをキャンセルしてきたんだ」  そんな奴らは今まで一人も居なかった そんな理由でデュエルを中止キャンセルしたりしたら…
 臆病だ何だ言われてデュエリスト生命が危うくなる 人気を棒に振るようなものだ p.48  「赤馬零王がRSVで得た名声さえ… 失ってしまうかも知れない行為だったんだ そんな馬鹿な事する筈が無い  俺も百合もそう思っていた」  たかが娘一人の為に 「…… 赤馬零王に限って それは無いだろうな そのレイ一人の為に アークエリア・プロジェクトを立ち上げ…  リバイバル・ゼロを引き起こそうとした男だ」 「嗚呼」 ええ うむ p.49 うん… 今なら俺もそう思う だけど ズァークだった頃は そんな事 知らなかったから  百合の舌先三寸で説得できると思って 話を任せて… 他のデュエリスト達との試合に向かったんだ」俺は 「…おい」今 聞き捨てならん事を聞いた気が 「百合は俺に何でもしてくれた 身元不明同然の俺がプロデュエリストに成る為に…  知り合いのハッカーに頼んで 役所のデータを改竄してくれたりとか」 「実はロクな連中じゃなかったな お前ら!?」 俺が…「観客たちの望むままに激しいデュエルをしていた時も ウケてるから大丈夫だって…  ずっと俺を支え続けてくれていたんだ」
p.49b 【9.20.Thu.】
p.50  「それの何処が大丈夫なのよ ウケで判断してるんじゃないわ 全く」 「そうだぞ遊矢 お前のいい加減な処 実は 前世からの引継ぎか?」けしからんな うっ… 「沢渡さーん 次の順番 来ましたけど どうします? またパスっスか?」 「いや… 話 終わったっぽいし もうイイだろう」俺の番だな 「…… 終わってない… けどまぁ 沢渡が聞いているかどうかは 俺的にはどーでもイイ感」 ぶー 「……」 p.51  「私もそろそろ どうでもよくなってきたわよ 話の趣旨がハッキリしきってないって言うか…  脱線なのか本題なのか 区別つかないって感じ」 「そう…ですね 主観的過ぎて一部の話題内容がサッパリです」 でも…「何て言うか 本当は 伝えたい事が在るのに 伝え辛くて言い難くて だから回り道のお喋りになってしまっているような」 「伝えたい…?」うーん「言いたい事が在るならハッキリと…」 「急かすな柚子 それが出来ないから… 遊矢はこうやって苦しんでいるんだ」 p.52  「苦しい…? …… さっきからずっと俯いてるのって苦しいの? 落ち込んでいるようで感じなのあった分かったけれど…」 「別に… 柚子に心配してもらうほど苦しくない」 何 それ 「其処で下手な意地を張ろうとするな 馬鹿者」話がややこしくなるだろうが みー 「まぁ 続きが話し辛い事になっていくだろう事は… 何となく想像が付きます ねぇ 赤馬さん?」 「そうだな… 父 赤馬零王の話では 百合はズァークがモンスターを暴れさせ街を破壊し始めた時…  真っ先に逃げて行ったという事だ」 るー p.53  「賢明だな… デュエリストならともかく ズァークのマネージャーやってた方の『百合』ってぇ事は  そうじゃあ なかった訳だろう?」 あ…「もう戻って来たのか」 「嗚呼… なんか 自分の夢は諦めてて だけど そうならない為に努力して プロデュエリストに成ったのが 今の高宮プロ  …そういう話を聞いたんだ」 「成程… 彼女が子供の頃見たと言う『夢』の世界」デュエリストのマネージャーに成った世界 「そして自らプロデュエリストに成ったと言う現実… 二つの世界が在る訳か」 「――嗚呼」 p.54  「ズァークが初めに起こした 次元分裂の影響… 或いは父が融合次元と行き来に当たって引き起こしている時間干渉  要因はともかく 複数の出来事が 同時に存在しているという事だ」 「うーん そういう話をしていた覚えは無いんだけれどな」 「アーク・ファイブの残滓はまだ残っている 父がアカデミアから舞網市に戻るまで… 恐らく『次元回廊』も消えはしない」 「…… そう言えば… アレって在ってもイイのか悪いのか 一体 どういう状態なんですかね?」 「……」 p.55  「分からないな 『次元回廊』を制御するカードは レオ・CoとDアカデミアとシティの治安維持局と  その3箇所に在って 現在 レオCoではそれを鎖している状態だが」 「鎖したのか?」 「別の次元に行く用事が無いからな 尤も通信ぐらいは出来るし… 必要な時には何時でもカードを再発動できる状態にしてある」 「………… エクシーズ次元には そのカードは無いのか?」 えっと「確か… ハートランド」 「――嗚呼」 p.56  「彼方の世界は元々RSV技術が無くてな… SVのシステム自体も他とは規格が違うのだ」 ふーん 「『ディメンション・ハイウェイ』の時も… あのコースは他の次元からの干渉で作ったRSVだった  エクシーズ次元の方から単独で 無条件で他の次元に干渉する手段は無かった筈だ」此方の把握している限りでは 「あと… 雑談レベルだが 今のRSVが攻撃後にモンスターをすぐ消す理由も分かったかな  ズァークの居た世界での二の轍を踏まないように… 故意にそういう仕様にしてあると言う訳か」 p.57  「モンスターが傷付いたり苦しんだりしないように… そして それを見て観客たちの残虐性が刺激される事のないように…ですか」 「…………」 「優しい…と言えば優しい話ね」 「…嗚呼 でも…」 「でも?」 「あのいかにもCGでございって感じの消滅エフェクトが デュエルモンスターズが生き物じゃないって感じる瞬間なんだよな」 「……」 「コイツらは痛みも何も感じない よく出来た動くマネキンみたいな物なんだって」 p.58  「そんな事… モンスター達には ちゃんと心が」 「…… 在るように見えるから余計なんだよ それまで生き生きと動いてた筈のモンスターが  割れ物みたいに いきなり パーンと消えちまう  負けた事に対する悔しさも 怒りも痛みも何にも感じてねーんだろうなって… 正直しょっちゅう ムカついてる処だぜ!」 「……」 「それはそれで… デュエリストの戦意を刺激する『演出』には成っているのでしょうね」 「ふむ…」 p.59  「その一方で… 遊矢君がアカデミアのデュエルで見せたみたいに  モンスターがダウンする姿を見て プレイヤーが戦意を掻き立てられる事も在ります 一概にどっちがイイと言えるような事では…」 「……」 「そうね… ただ モンスターの傷付く姿を見れば… 誰もが残酷になるみたいな考え方で RSVが『ダウン』まで見せない…  って言うのは何だか嫌だわ 痛そうだ 可哀想だって 思う人間も居る筈よ」 「そうだな… しかし そうやってモンスターに同情ばかりしていては  そもそもの対戦型カードゲームという根本の要素が成り立たない」 「……」 p.60  「その意味で… 『ダウン』を省略しているのは モンスター達への余計な感情移入をさせずに  カードとして扱う事だけを 促進させる仕様と言う訳か」 「……」 「そう言えば… 居るらしいですね DMBにも モンスターを戦わせようとしないで…  デュエル観戦すらしないで モンスター達と過ごしてばかりのプレイヤー」 「何だそりゃ… 他のゲームと勘違いしてるんじゃないのか?」
「…… 少数なら 特に気にする理由必要も無い DMBの遊び方は自由だ」 ======================================== ⇒オリカ一覧 p.5+  狂暴:正気を失ったように暴れる(行動)。  凶暴:凶悪で凶暴(な性質)。 p.9〜  書いてる通り★ p.10  権現坂父:…何か色々言うかなぁと思イつつ、余り言わないような気もすスる。 p.12  ごゆるりと、とか言ウのは入る直前に掛ける言葉かもなので変えるべき? p.15〜  …このデュエルは遊矢たちを其の場に残す為の方便みたいなモノで、  何時もと違って草案デュエル作ってないです。  チームの割り振りすら謎なんだけど……(汗) p.24  芋臭いか泥臭い、なニュアンスだと思うけど★ p.30  ユーゴ視点の話であって、実際にはシンクロ・ドラゴンの方が元の姿なんじゃないかと p.33他  確認するに、ズァークのドラゴン達はそれぞれがそれぞれだったノで★  ――で、この辺で設定が変になってないかなー、と思イつつ(汗) p.38  ……、実際の設定は知らない(オイ)→SVの音声 p.39、56〜  ……、そんな設定あったかな、と(コラ)  少なくとも、この漫画内ではそんなコト全く考えてなかったと思ウんで、  各所と矛盾するようだったら この辺 取っていいと思います★  あと一応、予算面から やってない、って可能性も在るんだけど。  其処まで説明し出したら、……キリが無いので切ったと言うか、 p.55  別の処かも知れないので下線★  …公式や後で出て来る設定と、合わなくなるようだったら修正★





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