とっぷ壊殻の海ノ物語遊戯王BrowsingU


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#057.木曜日のその後

p.1 【2018.4.9.Mon.】
「へー コレがDMBターミナル」「4月に見たのと変わんないねー」今 3学期だよ?

「やかましい そんな大幅にデザイン変更してたまるか 中身を見ろ スッゲーンだよ」

 KC

わぁ「3Dの文字が動いてるー」スゴーイ
「…… こんなの作る為に時間かけてたの?」
「ちげーよ! こんなのはオマケに決まってるだろ」ソフト起動するまでの.

p.2 
「…それじゃあこの1台は このクラブの備品として部費で購入する―― という事でイイんだね?」
嗚呼「校長は抱き込―― もとい説得しておいたから」

「試験的に 俺が最初のエリアを管理するプロバイダになるからさ 部のみんなにはそのエリアの登録ユーザーになって欲しいんだ
 つっても1台につき一人だけなんだけど」後でもっと購入させる

「一人かぁ…」うーん
「アバター自体は暫くみんなで使い回す事になると思う そんな訳で誰に貸しても文句言わねぇ奴…
 クラブの代表者みたいな」

p.3 
「――え 僕?」

「普通は顧問がやるモンだろ」
先生だし
「顧問だし」
責任者だしー

「…それじゃあクラブを代表して まずは先生がユーザー登録するって事で」


「――悪いな 最低限の事だけ確認しておきたい ユーヤ その夢にズァークは出てきたか?」

p.4 
ハッ「そうだユーリ! アイツどっか行っちゃったんだ

 ユーリ! ユーリ何処だ!?」

《…何 探さなくてもイイでしょ 僕達一つなんだから》
ホッ「なんだ夢かー」

「――って夢オチで済ますんじゃねぇよ オラ」
またかー
「何でデュエルしてたんだ あの黒っぽいドラゴンとか何なんだ」

「…… 黒い… ドラゴン?」
「遊矢に似た人が乗ってたの 一瞬 遊矢かと思ったけど 違ったわ」

p.5 【4.17.Tue.】
「……」 ←訊きたい事を後でと言われたので 考えている
「…分からないか」
「……」
「ではユーリとデュエルをしていた理由は?」
「……

 ユーリとは話をしてたんだ 元々ユーリは両親に構ってもらえなくって寂しい思いをしててさ
 その両親も亡くして Dアカデミアに入れられる事になって」
《ヒネて歪んだ性格になったと》
《怒るよユーゴ》
「……」

「ズァークはユーリに感応してた

 遊矢 ユーリはどうなったの?」
ギョッ 声 変わった!?
零羅だ
えー

p.6 
えっと「ユーリは友達なんか要らないって」
「……」
「俺はそんな事ないって言い返して

 そのうちに… 詳しい事は覚えてないけど ユーリの事 止めなくちゃって思ったんだ」
「止める?」

ん…「言ってる事 なんかおかしくなってきたから 今考えれば それが『悪の魂』だったのかも知れないけど
 ともかく そういう訳でデュエルをしたんだ… ユートと」
「……」
※原稿メモ:適当に調整★

p.6b 
「…… ユーリは友達なんか要らないって言っていた 俺はそんな事ないって言ったけど…
 ユーリの奴 段々言う事がおかしくなったって言うか その意味では あれは『ズァーク』だったのかも知れない」

《その記憶は変だね 時間軸的に デュエルを始める前だったんでしょ?》
「そうだけど… お前 自分の言った事 覚えてないのな」
《夢だし》
「……」

「…… 遊矢?」
嗚呼「御免 こっちの事

 今 俺の中に居るユーリは覚えていないんだけれど そういう訳で俺はユーリを止めなきゃって思って…
 ユートと一緒にデュエルしたんだ」
「……」
p.7  「ユーリの方にはユーゴがついてた でも途中でユートがユーゴを負かして… それで最後に 俺がユーリに勝ったんだ」 「……」ふむ 「負けて逃げたって言う事か? どっか行ったって騒いでたじゃねぇか」 ん…「そうだけど 負けて逃げたって感じじゃあなかったような」 「……」 《実際に何を言われたのかは もう よく覚えていない 分かるのは… ユーリがただ とても寂しくて辛そうな目をしていた事》 p.8  「…… ユーリの気持ちは 俺 分かるんだ 俺も父さんが居なくなってしまってから  恨もうとしたり 人を嫌いになろうとした事… 結構 何度も在ったから」 「……」 《その意味じゃあ あれはユーリだったし 俺 ユーリがズァークだったって言うなら それも遊矢オレだ》 p.9  「みんな居なくなれって思った事 …一度も無かったぁ訳じゃない」 《だけどその度に考え直させられた 母さんや柚子は厳しいけど優しかったし  塾長は 父さんが どんなに素晴らしい人か 何時も話してくれたし  権現坂は それを信じるって事が どんなに大事かを 気付かせてくれた》 p.10  「――みんな そばに居てくれたんだ そりゃあちょっとはウザイとか余計なお世話だとか思って反発した事もあるけれど  でも本当は嬉しかった」 「そうね… スネておばさんを怒らせた挙句」  わーん 「晩御飯抜きにされて家の外に閉め出されたのを泣いて謝ったという話がごまんと在るって聞いてるわ」 「バラすな柚子 お前のキツさにも結構 ヘコまされてきんだぞ 俺」 《…だけど時々は優しくて》 「時々?」どーいう意味よ 《一緒に居てくれて… 俺の方もやっぱり みんなと一緒に居たくって …父さんには会いたくて》 p.11  「…… 嫌いになんてなれないよ 何度も思い知らされてきたんだ …… 俺にはそんな事 無理だって  人にはさ… 色んな人間が居るんだよ いいとか悪いとかそんな言葉  みんなとか人類なんて単位にバシッと当てはめられるモノじゃあないんだ  ズァークは… ユーリは許容それが出来なかったから きっとあんな風に苦しんで…」 p.12 【4.17.Tue.】  …… 本当に 揺れ続けてきたのだな それも周りの人間たちの狭間で 「…… ズァークの悪の心は もう殆ど消えかかってた 遊矢の中に戻るだけなら 特に害は無かったと思う」 「そうか  分かった… 今日の処はもう LDGを閉鎖する 続きはまた明日にしよう」 ええ 嗚呼 はい …… p.13 
「私も気になるな しかし今日の処はもう LDGを閉鎖する 続きは明日あす なるべく早く また此処に来てくれ」
…嗚呼
ええ
分かった
「零児さん… …… 零王にも報告した方がイイかしら」 「…そうですね 繋がればの話ですが… ――その前に 遊城さんの方に行ってきます  零羅にはちゃんとした服を着せてあげて下さい」 ええ. p.14   MEDICAL CENTER 「――すいません 社長が来られるまでお待ち下さい」 「――嗚呼 今さっき凄く揺れた気がしたんだけれど… 地震かな?」 《多分ね》 「見た感じ大きな被害は無さそうだけれど… 机から落ちた物とか在るみたいだな  ――多分 そんなの片付けてんだろ」そういう訳で 待たせてもらおう 嗚呼 p.15  「……」 《…十代》 「ん?」 《君 十代だよね… 僕の事 ちゃんと 覚えてる?》 おっやぁ「なーんか空耳が 俺の名前 呼ぶのは だーれだ?」 「十代ッ」 ハッハ「冗談」怒るなユベル 「――遊城さん お待たせしました」 嗚呼「気にするな」 「デュエルの結果はあの通りでしたが… どうでした? 例の夢は見れましたか?」 p.16  「嗚呼 見たぜ 夢の中でモンスターに成った」 「面白かったぜー ユベルの奴 全然 気付かないでやんの!」 道理でちょっと違うと 「……  …思いっ切り楽しんでいたような顔ですが 記録上データでは途中 興奮状態に陥った形跡が在りますね  …何が在ったか覚えていますか?」 あー… 「嫌な奴に会った」 「嫌な奴?」 「…ガキの頃の俺に DMの嫌な部分を見せて DMの事を嫌いにさせようとしていた…」 p.17  「……」 「――仮に嫌いにはならなかったとしても! 俺のDMに対する気持ちや考え方が変わってた!  …… そんな事を企んでた 胸クソ悪い奴だよ」 「…………」 「実験とか何とか言ってたかな あの野郎 歴史を変えるだけじゃ飽き足らず 人ん中 入って くるとは…」ムカつくぜ! 「……」 嗚呼「えっと ガキの頃の俺が居てよ 分かるんだよな… ソッチが見てる事 感じる事 体は別々なんだけれど  ――やっぱり記憶が在るって感じ?」 「……」いや やっぱりと言われましても p.18  「分かるんだよ… そっちが過去の俺自身だって! 向こうは未来オレの事 分からないんだけれど」未来の事だから当然だ. …… 「ガキの頃… って言っても中学生ぐらいの話でさ デュエルアカデミアに行ってみたくて  けどまだ 全寮制の学校なんかに入学するのか デュエルの勉強するのか 一生をデュエルして過ごすのか  そんな事はまだ迷ってる時期だった」 …… 「ただ デュエル出来れば楽しくて… けどまだ仕事とか職業ってトコじゃあピンと来なかった  あと普通に親元離れるかどうかで考え込んでたかなー …そんな時期の俺だったんだ」 p.19  「…アレだ いわゆる夢と現実の間で悩んでたって感じ? 今の俺から見れば笑って過ごせるんだけどなー…」  だが「あの野郎のしようとした事は笑い事じゃねぇ」 「…… その人物 いえ人ではないかも知れませんが 実在しますか?」夢の話だから… 「…… 実在はする ただしこの時代の人間じゃあない」 「…… 過去に会った人物だと言う事ですか」昔の話だから 「――そうだな そん時もDMを消すとか何とか言いやがって… デュエルでブッ倒してやったんだが」 p.20  「…… DMを消す?」 「確か人類が破滅するとか世界が滅びるとかどうとか 俺に言わせりゃ 勝手にDMのせいにして 気違いな事やってる奴にしか見えないんだけれど」 「……  話は大体 分かりました 要するに『過去』の自分自身と かつて会った人物の記憶… 或いは増強したイメージを見た  貴方の『夢』は そういう内容だったと解釈して…」 「――イメージじゃねぇ」 「えっ?」 「奴は本物だ」 「……」 「実際に入ってきたんだ 俺の夢の中に アジトが何処に在るのか知らねーけどよ」 「……」 p.21 【4.10.Tue.】 「人の記憶を勝手に変えようだとか 好きなモンを嫌いにさせられそうになるとか お前だって嫌だろう!?」 「…まぁ 人権の損害だとは思います」反論はしませんね. 「…アイツはそういう事をしようとしたんだ 未来から来ただけなら 面白い奴――で 済ませられたのに」 「……」未来? 「ぶっちゃけ ねぇかな? 奴を追って時間を飛び越える方法とか」 「…… 無いと思います」 「そうかぁ くそぉ―― 面倒臭ぇ せっかく追っ払ったと思ったのに!」 p.22  「…… 修正するに 未来で世界が滅亡する事をDMのせいだと勝手に思い込んでいる者が居て  それその滅亡を阻止する為に『過去』に干渉していると その一環として 貴方をDMの嫌いな人間に変えようとした  …そう考えてイイ訳ですね?」 「――嗚呼 たぶん俺だけじゃなく大勢の人間にやってるんだ… DM自体をいずれ嫌いになるようによ」 「……  貴方の口振りでは… 以前にも同じように『歴史』を変えようとして ――しかし違う手段を取っていた」「考えられるのですが」 p.23  「――嗚呼 そん時のアイツはDMのカードやDMの生みの親 ペガサスの命を直接 狙っていたんだ… それを俺達がブッ倒した」 「……」 「作戦を変えて また『過去』に移動してきたって事だよな あーくそ こっちには奴を追う手段とかねぇのに  何考えてんだパラドックスの奴!!」 「…… DMで倒したとか言ってましたか その人物はそれで DMが世界を滅ぼさない…モノである事を  …納得して帰っていったのですか?」 「――いや? 気が付いたら居なくなってた デュエルに勝って歴史を守り切ったんだな――って処で そん時は俺 満足してたし」 「……」 p.24  「――それは その人物にとっては 根本的な処で何の解決にもなっていませんね  DMのせいで未来が滅亡する事はないのだという確証を持たない限り 何度でも歴史の干渉・修正を試みると思います」 「……」 「そういう人物はSFだと時空犯罪者≠ニして指名手配されていたりしますから  念の為時間警察タイムポリス≠ニいうカードが無いかどうか 探してみて下さい …手掛かりになると思います」 「――嗚呼」 「話を元に戻しますが… ――その夢の世界 遊城さんが行こうとしていた本物のDモンスターが居る世界≠ナしたか?」 「――嗚呼」 p.25  「そう言えばそんな話だったっけ… でもアンタに『集合夢』って世界概念を聞かされて  ペガサスの本も思い出して… ちょっと事情が変わったか」 「……」 「あの世界はDモンスター達の世界だ けど同時に俺たち人間の『心』でもある あの世界のモンスター達に起こっている異常は  この世界の人間たちに起こっている異常… そのものなんだ!」 「…… 確か夢の内容は ゲームより『面白くない』とか『つまらない』とか そういう評価が多いという話でしたね」 「――嗚呼 それとモンスターになった奴の感想は『楽しい』だ」 p.26  「…… 対極的な二つの評価… 『夢』より面白いコンピューターゲーム 『モンスター』で居る方が楽しい  DMブラウザを通して そんな人間がどんどん増える事になる…?」 「…… そうかも知れねぇな DMを嫌いになるって事には ならないのだとしても 何かスッゲー大事な事を…  失くささせたり変えられたりするような予感がする 俺の勘に過ぎないかも知れないけど」 「…… その状況の果てに在るのがDMの消えた世界 どういう因果でそうなるのかは まだハッキリしませんが  貴方の言う人物は それを狙っている… そういう事になりますね」 「――嗚呼」 p.27  「簡潔に断言すれば その人物が『犯人』… 念の為 名前を教えてもらえますか」もう一度. 「嗚呼!  …… 変だな 急に出てこない さっきまで覚えてた筈なのに」あれー? 「……  夢の話ですからね 記憶が曖昧になるのは仕方が無い事かも知れません」 「そうか… 悪いな 顔見りゃあ一発で思い出すんだけどよ」多分 「――いえ」 p.28  「他には… 此方側のテストに付き合って頂いた結果ですが 体に何か異常などは在りませんか?  まだ眠いとか だるいとかキツイとか 痛むとか」 「――いや その辺は平気 ピンピン 敢えて言えば腹が減ったかなァ メシ時なんじゃねーか 今?」 「…まぁ」食べる人は食べる午後6時 「アンタの言ってた時間警察タイムポリスのカード… 探してみるよ じゃあ」 p.29  うーむ《他人の『夢』の中に入る人間か つい昨日だったら妄想か何かだと笑い飛ばしていただろうが》同じ事 試そうとした ばっかりだからな 「念の為… 外部からの侵入経路が無いかどうか 遊城さんのデータをチェックしてくれ」 はい.  【2018.4.11.Wed.】 「遊勝ーっ 遊矢 ゴハンだよー」 p.30  そうだ「新しいモンスター 手に入れたんだ リンクモンスターって言うんだって」 「へー」 「あれ? アカシック・マジシャンの前に もう1枚… 母さん入れた?」 「――いや? 今朝から在ったよ」アンタが昨日 入れてたんじゃないの? えー p.31  《…… 隼に渡されたから受け取ったカードだ》 「えっ?」 《夢の中で だが何故ブラウザカードの方に…》
《…… 夢と言えば
 さっきの夢で見たユーリやユーゴのカードも入ってはいないようだ…
 …まぁ 夢ならソッチの方が普通か》
《…… 夢ならさぁ さっき言ってた僕達のカード…》
《…… 無いみたいだな》
《…まぁ 夢ならソッチの方が普通か》
うーん「ランク6かぁ微妙だねぇ 賞味4回も通常召喚しなくっちゃいけないって事じゃないか  ――って言うか あたしのデッキじゃ素材ないし」 「…俺のも無理だ ランクアップで出来ない事もないけれど それでもちょっと使いにくいかな?」 うーん p.32  《少なくとも遊矢や僕達のデッキを強化する為のカードじゃあないね》コレはRRレイドラプターズって処で微妙だぜ ギリギリお荷物にはならねぇけど》 でもデッキに入れない方が多いんじゃないの? コレは 《隼… まさか返しに来いという意味で 俺にこのカードを渡したのか…?》 「――で? コッチが新しいモンスター? 確かに見た事ないカードだね」色は儀式に似てるけど… p.33  「…おはよう」 オハヨー 「おはよう 柚子」 「…おはよう 遊矢」 p.34  「あのさ… 昨日 ズァークが零羅から出て行ったとかどうとか」 「――そうね 詳しい事はLDGで話すわ」此処じゃ二度手間になるから 「…… うん p.36  「ただいまー」 「お帰り 遊矢」 「ただいま 母さん」 嗚呼「帰ったか… お帰り 遊矢」 うん「ただいま 父さん」 「…… もうすぐデュエルを終わらせるから 部屋に鞄を置いてきなさい」 「はーい」 「…… 早いかなぁ オヤツも食べないでプレイするのって初めてだ!」初日と土日を除いて. p.37  「来たか… 『ユーヤ』」 「――嗚呼」 「では程なく 他の者たちも来るだろう ヒメとノボルはログインしている」 「…… 昨日の一件についてだが… まず零羅が私の処にやってきた 母様に連れられて… そして遊矢の危機を伝えた」 「危機?」 「…… 危機と言うか異変だな 『レイ』と共に遊矢の『心』が在る処に行きたいと言うので  話し合った結果 ユーヤ 君の『夢』の中に行く事になった」 p.38  「夢…? 俺の?」 「君の家に連絡して… 現実の君は眠っているという話だったからな」 「……」 「その夢の中で君はデュエルをしていた 零羅がそれを感じ取っていて…  『レイ』即ちヒメと ノボルとSINGO… そして私とフォースが『異次元トレーナー』の力で その夢の中へと向かった」 「…… 異次元トレーナーってフォースの? 夢の中だろ DMブラウザの中とは違うんじゃ」 ま 実際「私も直接 君の夢の中に入れるとは思っていなかった」 「……」 「ただ君の精神に刺激を与えるキッカケになれば… 其処から何か 事態が好転するかと思ってやったまでだ」 「……」 p.39  「DMBは人の脳内にコンピューターの映像や音を送り込む 人工的に『夢』を見せているような技術だ  そしてコンピューターの映像や音は電気信号で出来ている 理論的には特定の電気信号を脳に送る事が出来れば  その信号から成る映像や音声… 即ち『データ』を その脳の中に再生する事が出来る  ――分かるな?」 「うーん… 何となく」 「勿論 夢と電脳空間は違う 先程言った通り 最低限の刺激… 即ち『声』だけでも届けられないかと思っていた  原理的には精神通信テレパシーと同じ筈だからな」 「……」 p.40  「その一方で… 実は『集合夢』という概念から成る精神世界と  人々の心に在るDモンスター達のモデルの世界が同じなのではないか――と言う話を 遊城プロとしたばっかりだったのだ」 「…… 遊城十代さんと?」「心に在るDモンスター達のモデル…って」 「ペガサス氏が不思議な力で覗いたと言う人々の『心』だ  その言葉が本当であるかどうかは別にして… 既にDMは世界中の人々に浸透している」 「……」 「その人々のイメージから成るDモンスター達の居る世界… と言うモノは  精神世界の一つとして 既に存在していておかしくないと考える」 p.41  「……」 「そういう訳で… 物は試しでDMブラウザの電脳空間から Dモンスター達の世界 人々の『集合夢』の世界  君個人の『夢』の中へ入れないかと考えた」 「……」 「理論的に各世界は異次元同士の関係に在る そういう訳で『異次元トレーナー』を使用した」 「……  『異次元トレーナー』で俺の夢の中に入ったって事?」 「――いや 君はデュエルをしている状態だったが… その場所そのものには辿り着けなかった」 p.42  「……」 「しかしそのデュエルでの使用済みらしいカードのオブジェクトが在る場所 即ち『墓地』へと辿り着いた  君の『夢』に近い世界には辿り着いたアクセス出来たと考えられる」 《…… 何で其処が遊矢の墓地だって分かったのか訊きなよ》 「…… 何で其処が俺の墓地だって分かったんだ?」 「君のではない 対戦相手… 融合使いの分身少年 ユーリの墓地だ」 おや 「君が彼と一つに成った事で手に入れたカード スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンが その『墓地』には存在していた」 「……」 「零羅の話から 目的地が君と他の次元の3人が居る処だと分かっていたからな… そして其処で君とユーリがデュエルをしていると」 p.43  へぇ《僕と遊矢が再戦してただなんて面白い だけど零羅って今 赤ん坊の筈でしょう》 「あの… 零羅から話を聞いたって 赤ん坊なのにどうやって?」 「DMBターミナルのヘッドセットを使った  これは思っただけでデュエリストアバターを好きに動かせる機械だから」正確には その入力機 「当然 思っているだけの事をDMB内でDAに喋らせる機能が在る」 「……」 「面白かったぜ〜 『レイジ』が急に子供の声で喋りやがんの ヒメを『レイ』って呼んでるトコからスグに話が分かったけどな」 「……」 p.44  「…このヘッドセットにはDMB内部の音声を出力する機能も当然付いている」耳を伝 わって脳に伝わる 「それでこのヘッドセットを使って 私は零羅と会話したのだ… その反面 他の者が見た事は 詳しく見れてはいない  ユーリの『墓地』から君の処に行こうとしている間に 急に揺れが在って その拍子に零羅からズァークの魂が  飛び出しこのヘッドセットに入っていった  恐らく電脳空間から君の夢の中にまで向かっていったと思われる  『魂』なら 次元を越えて 精神世界を行き来するなど簡単だろうからな… ましてや『ズァーク』は遊矢キミ本人だ」 p.45  「…… ズァークの魂が… もう一度 俺に?」 「『ズァーク』の魂が出て行ってしまった影響か… 零羅が突然 元の年齢に戻ってしまってな  その対応に追われていたので 私は暫く この先を知らない そういう訳で 代わりに話が出来る者」 「えっと… じゃあ私が続きを話すわ その揺れが起こる少し前から… その『墓地』には何だか黒い染みが出来ていたの」 「――染み?」 p.46  「上空から見ていたからハッキリしないんだけれど…」何となく「水か油みたいな感じだったわよね?」 「――嗚呼」 「それが気付くと地面に湧いてたの そして揺れと同時に…  その部分に大きな穴が開いたのよ」 「その穴にレイジから飛び出した影… つまり ズァークの魂が入っていった その穴にヒメが真っ先に飛び込んで  ノボルが続いて俺様がしんがりを務めてやった」 …… 何 急に 交代してんの p.47  「そう… 其処で昨日言った ドラゴンを見たのよ 遊矢に似た人が乗っていて… すれ違ったと思ったら 反転して襲ってきたわ」 「!」 「其処で急に 何故かログアウトしちゃって… …… 私が話せるのは此処までね  ただ あのドラゴンは 直前に『墓地』で見たドラゴン達に似ていたと思う」 「…… そうだな スターヴ・ヴェノム… フュージョン・ドラゴン あの墓地には それと思しきドラゴンが2体居た」 「2体?」 p.48  「俺はお前ほど あのドラゴン達を見慣れてる訳じゃないから…  あの2体のうち どちらが実際の『スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン』で  どちらがあの黒っぽいドラゴンに成ったのかは分からない  2体とも『スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン』だったようにも思えるしな」 「…… 墓地に居た方の2体はどうなった?」 嗚呼「LDGディフェンダーで大人しくさせたのは知ってるだろうけど  たぶん穴がほげた拍子に他のモンスター達と一緒に落ちたな ありゃ」 「…… そうか  私はそのあと フォースから 君達3人がログアウトした事を知らされた 更に遊矢も目を覚ましたと言う事で  『墓地』が消えたので やはりログアウトして現実リアルに戻ってきた」 p.49  「そういうこったな榊遊矢 何でお前 他の奴とデュエルなんかしてたんだ?」 「なんかって…」 「零羅の話じゃあ 止めないと大変な事になるみたいな感じだった 実際『ズァーク』が出て行った訳だし…  ノホホンとおちゃらけデュエルやってた訳じゃないんだろう」 「…… ズァーク…」 うーん「本当に俺の中に帰ってきたのかなァ 今イチ ピンと来ないんだけど…」何も感じないし p.50  「知るかよ ――って言うか それを知る為に さっさと話せっつってんだ 思い出せないんなら 頭 揉んでやろうか?」あーん? あー「分かった分かった」  さりげなく 移動. あ 「ユーリとは… 最初 話をしてたんだ」 「話?」 ※原稿メモ:適当に調整★
「元々ユーリは両親に構ってもらえなくって寂しい思いをしててさ
 …… その両親も亡くして Dアカデミアに入れられる事になって」
《ヒネて歪んだ性格になったと》
《怒るよユーゴ》
p.51 
 …… 本当に 揺れ続けてきたのだな それも周りの人間たちの狭間で
「…… 分かったような分からないような 結局 ズァークの事はどうした」 「え…」 だから「ズァークは直じゃ見てないって」あの夢 「ユーリが何処か行ったって いったい何処に行っちゃったの?」 「分かんないよ… 見えなくなるかどうかって時に夢が終わって目が覚めた気がする」 p.52  「…… ユーリとやらの移動手段は? もしかして黒いドラゴンに乗って… 天井の方に飛んでいったのでは…」 「あ… そう言えば」 「……」 「天井が在ったかどうかは分からないけれど 上の方から急に凄いのが落ちて来たんだ  そいつに乗って ユーリは何処か行っちゃった 言われてみればドラゴンだった気もする…」 p.53  「そのドラゴンの体の色は?」 「……」 「分からないか だがしかし『上』の方に行ったのなら 下の方から上がってきたと言うヒメ達の話と一致する」 「……」 「情報から見てユーリに間違いないだろう …理由はともかく其処で遊矢の『夢』は終わった  理不尽だが夢とはそういうものでもある… …… ズァークの行方が知れないのは問題だが 遊矢の周りで彼を守る者が居る限り  簡単に世界を滅ぼす事は無いと思う」 p.54  「遊矢に戻ったかどうかを確かめる為に… 遊矢を痛め付ける訳にもいかない 居ないとして探すにも手掛りは無い」 うーん… 「――それじゃ ズァークの件は一旦 保留って事ですかね?」 「――嗚呼」 何でアンタが話まとめてんのよ お前らなー ======================================== p.10  きてんだぞ、かも知れない。  ニュアンス的に微妙な処。 p.21  …思うが 必要が在るならやります、トカ内心で思ってるかも知れナイ赤馬社長。 p.23他  ペガサス会長、かも知れないケド其処までチェックしてない★ p.33〜  此処から先は取るに足らないシーンと情報確認が主なので、  練り直し時にバスっと切っても可能かも★ …前後の話の調整次第か  で、p.34〜も少し切った。1〜2ページ繰り上げかな p.36  …初日はモシカシテ、食べてからLDSに行ったかもだけど  (ドウでもイイ★) p.47  ほげる・ほがす:…国語辞典に載ってなかったけど方言かな??  (紙や布を(棒状の)尖った物で突き破って)一気に穴を開ける時と、  あと煙草の火で布に穴が開いた時なんかに使ウ表現なんだけど。 p.53  やっぱり、「簡単に暴れ出す」でイイ気も??? ★  …公式や後で出て来る設定と、合わなくなるようだったら修正★





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