とっぷ壊殻の海ノ物語遊戯王BrowsingU


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#023.チハヤの事情/ペガサスの10年

p.1 【2017.11.14.Tue.】
「ただいまーっ!

 チカン撃退して来ましたーっ♪」
「結構 容赦無いのな お前」
「はいっ!」

「あと5分か… じゃあもう今日は出動ねぇな」
「……」

「…… こういう時の挨拶って何て言えばイイのかしら」また こんにちは?
「さぁ…」

あっ ヒメさん ノボルさん
ええ
よぉ

p.2 
「……」

「…ユーヤ あんた何かヘマしたわね」

「な… 何を 根拠に…」
「お前が柚子を無視する時は 大概 何かバレたくない事を隠している時と 相場が決まっているからな」俺にもだが
「……」

はい「近くまで来てあげたわよー 仕事しながらでイイから言いなさい」
え…「えっと 気が付くとカードが1枚無くなってて それを何故か他のエリアの人が持ってて…」嘘は 言ってない

「LDGディフェンダーを取られてダイヤモンド・ゲートに入れなかったんだよ」
「……」
「スグ其処でオロオロしてるの見付けて フォースとカードを取り返しに行った」
「SINGOバラすな」

p.3 
「犯人っぽいのをフォースのMMで連れてきて カードを取り戻してたようだ お咎め無しなんて甘いよな全く
「……

 だってあの人が犯人だったっていう証拠が無かったんだ …それでもカード持ってるのに知らないって嘘ついたから
 フォースに『デジタル・ランサーズ 違反者への鉄拳』 喰らってた」

「…… そうか」 まぁ「アレを食らったんだったら 犯人なら懲りてるだろうよ」違ったら知らんが
「――? なぁにそれ」違反者への鉄拳?

「フォースが持ってるトラップカード デジタル・ランサーズの処罰用だって レイジに渡されたらしいんだ」
「ふーん …何でソレを そうじゃない人が 喰らってる訳よ」

p.4 
「…… デジタル・ランサーズの行動を取り締まる物であると同時に カード窃盗犯などを見付けて捕まえる為の一組コンボなんです
 使用するまでは なるべく秘密にしてろって レイジさんが」

「そうか… それを何故 SINGOまで知っているかって事については 何となく想像が出来るわね」
「――嗚呼」
「…… 何でだよ」

「要するに誰かと揉めたんでしょ」
うむ
「アンタ其処いら辺の行動パターンの分かり易さは 遊矢とどっこいどっこいなのよ」
「…ぐっ 何だとテメェ」

「フォース あの…」えっと「マージは」
はい「元居た処に送り返しておきました

 LDGの事も宣伝しておいたので 明日あたり遊びに来るんじゃないかと思います」

p.5 
「なーるほどぉ 其処で改めてとっ捕まえようって魂胆か」
えっ いえ「そんな事考えていませんが」カードは返してもらったし

「――ちっ なんだ つまんねぇの」
「SINGO あの人が犯人だった証拠は無いって言ってるだろう」

「…… 何でお前が犯人庇うんだよ」
「庇ってなんかない マージは… カード拾ってくれた恩人なんだから」

「――はい ストップ 例の人ぶつかってきた時点で変だったでしょう 無闇に人疑えとは言わないけどさぁ」
「ヒメ…」

p.6 
《何のかんの言って お前もあの時の奴とマージアイツの事 同じ奴だって決めてかかってるんじゃねぇか》
そ…「それはユートが 声同じだって」
《俺の耳はお前の耳の筈》
「……」

「要するに… 事件じゃなく事故にしたかったって言うだけね …全く」

「ヒメ! 俺は――…」
「『悪い奴なんか居なかった』 そう思いたかっただけでしょう?」

p.7 
「アンタは自分に親切な人か それ以外の人しか知らないもんね なるったけ相手を『いい人』に思いたい――

 だけど本当は自分が責められたくないってだけ …… 我が身可愛さの行動の結果よ」

「…柚子 そのくらいにしておいてやれ」
んー「ずっと前から思っていた事ではあるのよ 遊矢は其処直さなくっちゃ」けど何時から思ってたんだっけ

p.8 
「…遊矢 お前はもうログアウトしろ …DMBを途中で休んでないんじゃないのか? 俺はそろそろ仕事に入る」
ん…

『7分2秒 行動の無い DAに 別のDA2体が 接触・運搬を開始しました』
「――! 俺の番からだな」

「ノボル君の言う通り… 今日はもう帰った方がイイですよ」ユーヤ君
あ…「うん」
《リン〜!!》
《…号泣するな》仕事始められただけだろうが

p.9 【11.15.Wed.】
 ダイヤモンド・ホール
 <制限ルーム>
 ログアウトしますか?
  はい/いいえ

「柚子… 俺の事そんな風に思ってたのかな」
《リン〜!!》
《君はシツコイ》
《だってだってー》
あーもう

p.10 
《…確かに厳しい言い方だが お前の事をずっと見ている者でなければ あんな言葉は出て来ない》
「ユート」
《…お前は自分が思っている以上に 周りの事を見ていないからな》SINGOには それで 負けた.

《そ… そうか 嫌われた訳じゃないんだな 良かった》
《…まぁ リン個人がお前ユーゴをどう思っているかは知らんが》
えー

フン《別に周りの奴らなんて どうでもイイ連中ばっかりじゃないか》気にする事ないねーっ
《…そうか お前の影響も 在るのか …色々と先は長そうだな》

p.11 
「…看護婦さぁーん お散歩お願いしまぁーす」
「はいはい」

「…どうだった? 今日のDMBは」
はい「3回出動しました デュエルの方は2勝1敗です!」
あら勇ましい

p.12 
「ちっちゃい時から車椅子動かしてきましたから ホントは私 けっこう腕力あるんですよっ
 お散歩も一人で行けると思うんですが 病院の外には一人で行くのは危ないからって」

「そうねぇえ… 私もDMBターミナル買ったから 今度の休みの日に プレイするつもりよ」
わぁ「じゃあデュエルしましょうねっ」
「そうねぇ」

「千早ちゃん DMB 効果アリってトコですか?」
「--そうだな

 電脳空間の中で体を動かせるVRソフトと言うのは幾つも在るが
 実際の処『やる事が無い』と言って興味を失くしてしまう事が多い」
リハビリソフト プレイするのは最初だけ

p.13 千早君も例外ではなかったが 流石にDMブラウザは違う
 先日は『走った』と報告していた 彼女の人生にとって大きな一歩だ」

「人生…ですか」
「大袈裟じゃないさ 生まれつき歩けなかった子供だぞ」
「…… そうですね」

「彼女の現在の状況は ちょうど脳と患部を結ぶ神経線維が形成段階に入ったのではと考えられる
 上手くそれらが繋がれば VRだけでなく現実でも両足を動かせるようになる筈だ」

p.14 
「確か… 全身麻痺で生まれてきたって話でしたね」
嗚呼「母親が電気ショックを受けたらしくてな 幼少期までに上半身の方は治したらしいが…」

「…… 妊娠中に赤ちゃんが全身麻痺になる程の電気ショックを受けるって 事故にでも巻き込まれたんですか?」
「風呂上がりにゲームをしようとしたそうだ 髪を拭かずにVRのヘッドギアを被ったので漏電した」

「――はぁ!? 髪を拭かずにって普通やりますかそんな事 運が悪かったら感電死――」
「…まぁ当時の警察や医師たちは 彼女の行動は自殺未遂だったと結論付けているらしい「…ッ!」

p.15 
「彼女は4歳の長女と二人暮らしだったらしいが 数ヶ月前に別の街に居た夫が行方不明になったらしくて
 マタニティブルーと相俟って… ――ま 後は 話した通りだ」

「…… 旦那さんが行方不明ですかー… 今は見付かってるんですか?」
いや「死体も分からずに十数年 あの事故の被害者は何千人も居たからな」
「…事故…? …13年か14年前」ハッ「――それってまさか 童実野町を中心に起こったゼロ・リバース!!」

p.16 
「――嗚呼 都市郊外に作られた新型のエネルギー施設が暴走 地殻変動を引き起こした」海辺の一部が島に成ったとか
「……」

「町としては中規模だった事が幸いしてな 負傷者を合わせれば被害者は数千人を超えるんだが…
 童実野町における死者・行方不明者の数は その程度で済んでいた」

p.17 
「そう――ですか でも確かゼロ・リバースの被害って」
「…嗚呼 童実野町だけではない DM関連の各種ゲーム・システムが 当時は世界中で繋がっていた

 暴走したのは そのゲーム・システムのエネルギーを供給する装置だったらしいからな
 ネットワークを介して飛び散ったエネルギーが世界中で暴発
 関連商品の多くは故障し廃棄処分という扱いになった」
「……」

「…千早君の母親も 捨てるべきだったDMBターミナルをずっと所持し続けていた
 あれはオンラインゲームだから TV電話代わりにして夫と連絡も取っていたのだろうな
 …そして例のエネルギーの暴走は 数ヶ月経った後でもまだ収まっていなかった」

p.18 
「誰もゲームをせずにネットの中を彷徨っていた暴走エネルギーの残滓を
 彼女は運悪く全身に浴びる事になってしまった
 命に別状は無かったが 生まれてきた子供には障害が残った」

「…… 命に別状は無かったって」
「理論的には落雷を受けたのと同じだからな それでピンピンしている例と言うなら国外に在るぞ?」

「そーですねぇ 『奇跡のビックリ体験』とか何とかTV番組でも取り上げられて…
 ――いや違う それが本当なら千早ちゃん DMBターミナルが原因で…」

p.19 
「――嗚呼 だからこそ 同じDMBターミナルでの治療だよ」ヘッドギアとヘッドセットの違いは在るが
「……」

「あの子がそのゲームで人生を狂わされたと言うのなら それを取り戻せるのも同じDMBゲームだけかも知れない
 どの道 今の技術では これ以上高度VR医療は望めまい」

「…… やっぱり違いは実体映像技術リアルソリッドビジョンですかね?」
「理論的には『質量を持たせる』技術だからな
 患者の体内に入れた信号が脳髄から患部への経路を形成していく …そういう事も有り得るんだろう」

p.20 
「えっ… それ ゲームをやめたらAフィールドみたいに消えちゃうとか そういう事にはならないんですか!?」
「患者の体が『信号』というエネルギーを取り込み 自分の神経にしてるんだ
 『エネルギー』が質量化する事自体は科学的に分かっている

 RSV自体は食べる事が出来るようにも作れるし…」DMBは其処までしてないが
「体内で分解されてしまえば『ゲームのプログラム』ではなくなるからな
 全く問題なく『ただのエネルギー』として 体が利用できる訳だ」

「…… そうなんですか…」
「分子ではないから 特定の作用を期待できる『栄養素』とは少し違うが
 ――ま 元素原子から何から我々は 『エネルギー』を質量に変換して存在し生きている訳だからな」

p.21 
 05:55――あと5分でLDGの運営時間が終了します
 速やかにゲームをやめてログアウトするか 御自分のエリア・フィールドへお戻り下さい

 …繰り返します あと5分で…』
「――ですって もう終わらせちゃってイイの?」

「あと2分 昨日は切りのいい処までやった」
「そうですねぇ 角までチェック出来るんだったら 其処までやっちゃって終わりにしましょう」

p.22 
 05:57

「それじゃあ二人とも また今度 …レイジさんが死角見るスクリーンを作ったら その時はミーティングあるかもです」
「分かった」

「――柚子 明日は遊矢に構ってやれ」
「分かってるわ 当番同士だし 普通に学校でも会うでしょうしね」

「…… 遊矢が自分を責められたくないと言うのは 結局の処 人に嫌われたくないからだと思うが」

p.23 
「それが 自分が可愛いって事でしょう?」
「……」
「そりゃあ確かに最近の遊矢 何となく変な感じがするけど…」でも何時もと言えば何時ものようだわ

「…… DMBには遊び半分で入ってるからな」
「…まぁ」
「それでいて『デジタル・ランサーズ』に入ってしまった」
「……」

「お前の言う通り 遊矢はこういう事には向かない 赤馬零児は遊矢の実力を認めつつ …それを利用しようとしている」
「……」まぁねぇ

p.24 
「遊矢もそれを『仕事』だと思って受け入れようとしているようだが
 そもそもアイツは『他人』との付き合いが少ないからな 勝手が分からないでいるのだろう」

「――まぁ 確かにちょっと前まで あたしと権現坂としか付き合いなかったけど でも今は結構…」
「…仲良くでも敵対する訳でもない ただの『他人』との距離の取り方だ」アイツが分からないのは

「あー…」
「スタジアムへデュエルを見に来る観客と 街や学校ですれ違う者が同一であると理解してない節が在る」アイツは
「それでいてまだ怖いのだ 他人に自分を意識されるという事がな」

p.25 
「……」
「アイツは周りからの心無い言葉を受け続けてきた
 それに抵抗せず恨みも憎みもしなかったのは 心の何処かで自分が一番悪いという結論に達してしまっていたからだ」

《お父さん どうして 帰って来ないのかなぁ 僕がお父さんの言う通り 『勇気』を持つ事が出来ないから?》ふぇーん

「――ま 事情が分からなきゃ最後には 自分を責めるしかないもんね自分が悪いんだって思って
「そうだな 3年間は長過ぎた
 遊矢の親父さんは見掛けより遥かに厳しいが 遊矢の方はそれに耐えられるほど強くはなかった」

p.26 
《父さんが泣きたい時は笑えって だから笑うんだアハハハハハハ》
「多分…『嫌な事は笑って吹き飛ばせ』とか そういう意味で親父さんは言っていたのだと思うが」

「……遊矢は自分の本心を押し殺して」半端「『笑って誤魔化す』事の方を覚えちゃった」全く
そうだな「アイツの笑顔が本心からか 作り笑いなのか 俺にも時々区別はつかん」自分から笑ってはいるんだろうが

「結果としてあのボケ性格よ ワザと馬鹿やってるのかホントに馬鹿か分からないけど 何にせよ もっと真面目にやれってーの!」
「…まぁ 馬鹿を演じているうちに 本当に馬鹿になっている印象は在る」

p.27 
時間が無いな「――まぁ 何にせよ遊矢を余り責めるな 遊矢はお前の事を1番…」
「…… 怖がってるって言うの? 失礼ねぇ」

「……」
「――ま 実際 怖いと思わせるようにしながら遊矢の事叱ってるんだけれど …そろそろ帰るわ またね権現坂」
…嗚呼

「…柚子の奴 遊矢の事を1番分かっておるようで 分かっとらんのかも知れんなぁ」可哀想に アイツも

p.28 【11.16.Thu.】
「A魔法マジック『起死回生』! 攻撃力を800アップ!」かつ戦闘では破壊されない
「更にEMスカイ・マジシャンの効果発動 魔法カードの発動により 攻撃力を300アップ!」 攻 →3300→3600

『合計1100の攻撃力アップ! モンスターを返り討ちだぁーっ!!』
ワアアアアッ

p.29 
「ブラボー! ミスター榊 とても素晴らしいデュエルでした!」

「有難うございます クロフォードさん I&I社が新しいカードを沢山作って下さったお陰ですよ」
「はい! 頑張って描きました」

やっぱり「Aデュエルはいいですねー カードを取りに行くのが間に合うかどうかの緊張感!」ドキドキします!
ハハ…「プレイヤーの中には動く事を嫌がったり 作戦や戦闘スタイルが乱されると言って 敬遠する者も居るようですが」

p.30 
「残念です そんな 柔軟性の無いプレイヤー」ふー「新しいカードを作っても果たして使ってくれるかどうか」
「……

 元々デュエルモンスターズは 体を動かさないで遊べる卓上カードゲームでしたからね
 昔は何処かで そういうインドア派だけの物だって印象がやはり 在りましたよ
 それが10年もしないうちに こうして全身運動の物になるとは」私も思ってはみませんでした

「…まぁ身体能力によってアドバンテージに差が出るデュエル その事を否定したりはしませんよ
 だからこそ専門家プロの世界になる 華やかでも 素人には出来ない エンターテイメント・デュエル・ショー」

p.31 
「観客を魅了する気の無い方は… それはそれで自分の好きなやり方デュエルを行っていけばイイと思います
 ベーシックデュエルもその他のデュエルも 私にとっては全て『デュエルモンスターズ』なのですから」

「そう言えば 海馬Coは最近… 『Dホイール』とか言う新型ゲーム機を開発しているとか」
ええ「Dディスクの一種です 『ライディング・デュエル』というデュエルスタイルの専用マシンで」

「そうですか コッチはAデュエルに合わせてか 軽くて小型の軽量タイプですけどね」
ふふ「色んなバリエーションが在るから楽しいのデース カードもデュエルもゲーム機も人も」

p.32 
「……数年前 世界中で SVが使えなくなってしまった時は
 1プレイヤーとして『DM』は一体どうなるんだろうってヒヤヒヤしていましたが」
「ええ 思ったより 早く SVもRSVも復活した ミスター赤馬が其方に避難してくれたお陰でした」

「成程… それで彼が舞網に」
 しかし「海馬Coの技術を使って 会社を立てるのは …色々と問題ではないんでしょうかね?」我が友人ながら
「RSVの特許を持っているのはミスター赤馬 彼が何処でその技術を使用するかは 彼自身の自由デース」何の問題も在りません

「そうですか それでも海馬社長サマはやっぱり悔しがっているんでしょうなーぁ」一時はDM機器独占状態だったのに.
ハハ「何事もまた経験デース 若いうちの苦労は買ってでもしろと」
そうですか

p.33 
「大丈夫 彼らならきっと蘇らせてくれますよ 私達の世界『DMBデュエルモンスターズブラウザ』を」

「…… お父… さん…」お仕事終わったのにまだ?
嗚呼「スマンな遊矢」 つい「話し込んでしまった」

「息子さんですか?」
はい「遊矢と言います …おいで遊矢 挨拶しなさい」

「……」

「!」
「おやおや」

p.34 
すいませんねぇ「人見知りが激しいと言うか何と言うか 家じゃ結構 内弁慶なんですが 外に出すと途端に…」全く
ハハ「小さい頃はそういうものデース

 遊矢ボーイ… DMは好きですか?」
「……」
「このおじさんが作ったんだぞー」
「…… 好き!」
ハイ「いい御返事デース

 御褒美にこのカードをあげましょう きっと素敵な1枚になる」

「…わぁぁ!

 お父さん! もらったっ!」見てー見てー
「ハハ 良かったなぁ遊矢」
「うん!」
「おじさんに御礼を言いなさい」
「ありがとう おじさん!」
ハハ「どういたしまして」

p.35 
お母さーんっ
「…… 今のカードは?」
「すいません 貴方の新しいエースにと思って持ってきたのですが あの子を見たらあげたくなってしまいました」
ハハ「構いませんよ」エースカードなら既に在ります

「今年で5歳になるんですが…
 幼稚園に上げたら今までのように 世界各地での試合に連れてくる事は出来なくなってしまうのかな」今回で最後かも

「そうですか… でも大丈夫 きっとあの子も 何時か世界中のプレイヤー達とデュエルを楽しむようになる」
ハハ「そうですね」

では「クロフォードさん 私はそろそろ この辺で」
「はい」

p.36 
「そう―― 何時か世界中の人々が 互いにデュエルをする事が出来るようになる」

「あと10年… その時がとても待ち遠しい」フフフ


「おはよう 遊矢」
「おはよう 柚子」

p.37 
「遊矢 柚子」
あっ「権現坂 おはよう」
「…嗚呼」特に問題は無いようだな

「権現坂 舞網市中のデュエルスクールがLDGに施設とステージを作るって話… 聞いた?」
「――嗚呼」

「ウチは早速お父さんが新しいカード買おうとしてる でもどう考えてもカモよね」この街でカード売ってるのは主にレオCo下請けのお店なんだから
「…まぁ」かも知れんな

「レイジの奴 DスクールにAステージ作らせて 自分は楽しようって魂胆じゃない!?
 クエスト作りとほぼ同じ作業な訳でしょ コレ」
「……」

p.38 
「一応 Dスクールの側にも利点は在る 互いに納得した上での取り引きなら 俺達がそう 口を挟む事ではあるまい」
「んー」他処はそうかも知れないけどぉ

「舞網市中のDスクールをLDGに作るって …昨日 LDGナビゲーションのマップで見たあれか?
 そう言えば作ってどうするんだ?」

「スクールの生徒を他のスクールの生徒や一般プレイヤーとデュエルさせる事が出来るのよ」
ふーん
「その為の『フロア』と『ステージ』を 各スクールが1コずつ用意されてるんですって」
ふんふん

「そのステージにはAカードを配置する事が出来て イコール『Aステージ』にする事が出来るって訳」
「成程!」
「…ウチは不動のデュエルだから Aカードは使わず Aステージも作らんだろうが」

p.39 
「イイわねー ブレが無いは ウチなんかそもそも看板から 虎の威を借りた狐状態
 遊勝おじさんの公認って言えば公認なんだけれど…」
うーん

「塾長 元プロデュエリストなんだよな」
「…ええ」
「俺 前に塾長にデュエルで勝った事あるけど …… 結局の処 強いのか?」あの人は

んー…「遊勝おじさんよりかは弱いでしょうね」まず確実
「他のプロデュエリスト相手は分かんない…って言うか お父さんが『プロ』やってた時代って
 今よりプロデュエリストの規定がずっと緩かった頃の話なのよ」
「……」

p.40 
「職業としてデュエルでお金を稼いでいるなら誰でも『プロ』 資格とかまだ何にも無しの時代だったらしいのよ」
Aデュエリスト自体少なかった頃.
ふーん

「ま それでも儲からなくって引退したんだから 実力は推して知るべしって処ね」
そうか「よく考えたら柚子んは 俺ん家とフトシとアユとタツヤんトコからお金もらって生活してたりするんだよな」
…フッ「まぁね」

「遊矢の家はお袋さんがパートだったな」
嗚呼 でも「今は父さんがお金入れるようになったから 専業主婦に逆戻りしてるよ」そして暇な時にゲームをしている
「――そうか」

p.41 
 日本11時/アメリカ・ラスベガス18時頃

ハーイ「ミスター榊 お久し振りデース」

p.42 
「クロフォードさん お久し振りです」
フフ「遊矢ボーイがプロに成ったそうですね」
ハハ「昔馴染みに会うと真っ先に言われます」息子さんがプロかってー

「無理ないデスよ14歳 海馬瀬人や遊戯ボーイだって『プロデュエリスト』ではなかったんですからね」
「…まぁ伝説のデュエリスト達の時代とは 色々基準が違いますから」

「そうですね …処でDMBについて ユーはもうプレイしましたか?」

「…いえ 今はまだです でも今回のデュエル・ツアーのマネージャーが持っているそうで 色々話は聞いていますよ」

p.43 
「そうデスか… 設定上 若い人間のDAしか無いそうで 気分も若返った気持ちになれますよ」
「――そうですか

 しかし『エルダー』というプロバイダは 老人型アバターを作って それで登録者数を増やしているようです」
ふむ…「変わった処デスね」
「そうですね」

「若い姿がイイ人も居れば年老いた姿の方がイイ人も居るという事ですか」
「恐らく」

「…それでも現実の醜い姿を忘れ あの夢のような世界で昔の恋人と再会できたりなんて思ったら
 とてもロマンティックだと思いませんか?」

p.44 
「…… 醜いと仰るほど年を取っているとは思いませんが」40代ですよねぇ?
フフ「気持ちの問題デース」
「…… そうですねぇ 確かに素晴らしい 尤も私には女房が居ますが」

フフ「あの時 遊矢ボーイと居たレディですね 馴れ初めを聞いても宜しいですか?」
「――ええ ………………………………

 私は元々教育者志望でして 舞網市内の学校や教育者達は 多少面識が在るんです
 当時 ある学校から『夜な夜な生徒が遊び回っている』『取り締まるのに協力して欲しい』
 ――という依頼を受けまして」
「ふむふむ」

p.45 
「その取り締まり活動の中で出会った一人が彼女です どうやらファンになってくれたらしくって
 その後で私がデュエルをする時は必ず見に来てくれるようになってくれたんですよ
 手作りのお弁当なんかを差し入れに持ってきてくれたりして」
 オラ食えー
「ほほう

 それでお付き合いを始めたという訳ですか」
ハハ「気付いたら付き合っていたという感じですけどね 今週の末にはウチに帰ります」
フフ「そうですか」

p.46 
「例えば… 例えば自分が 早死にしてしまう未来が在ったり 逆に長生きしている未来が在ったりして
 その事実を知ったら貴方ユーはどう思いますか?」
「えっ?」

「例えばの話です 率直な意見をどうぞ」
「うーん …… どちらかの人生しか無いと思いますが」普通は

「――ええ そして普通は長生きしたいものだから
 早死にした未来が在るならその原因を取り除き 長生きする未来に変えようとする」
「…… そうでしょうね」

p.47 
「でもそれは『早死にした』という事実が在ったら 知る事が出来 そして回避する事の出来る未来」
「…… タイムパラドックスと言う奴ですか 早死にした未来が無いら それを回避した事実も無い」

「そうです―― ただしこの場合 安直に 『だから早死にした』という結論にはなりません
 あくまでも『早死にする未来』と『長生きする未来』 二つの可能性が在るだけです」
「…ふむ」

「自分が死ぬか生きるかなんて言うのは極端な二択ですけれど それ以外の事象にも実に幾つもの可能性が在ります」
「……」
「もしそれぞれの『未来』の情報を集め 比較し自分の望み通りの『未来』を手に入れる事が出来たら
 どんなに素晴らしい事でしょう」

p.48 
「それは―― 確かに望み通りの『未来』が来てくれれた方がイイでしょう
 でも知り過ぎると言うのは味気の無い気がしますね 未来とは――」

「『未来』とは 既に出来上がった状態であるのを待つものではなく 自分からその望んだ状態を作るもの
 それが貴方の考えなのですね ミスター榊」
「!」

「とても興味深い記憶をお持ちだ 成程 未来から来た人間が他にも居るのデスか しかも実体映像技術リアルソリッドビジョンの改良者…」

p.49 
「クロフォードさん…!?」
「半年… あと半年で確実になる 全世界にDMBターミナルが行き渡る

 あれから10年…」いえ「全ての始まりから数えれば もう30年ぐらいになる」
「……」

「私は私にとって最善の未来を手に入れる その為にパラドックスに力を貸す―― それだけの事です」

p.50 
「……」

p.51 
《ふむ… 破滅の未来を変える為 私を抹殺にやってきたのですか しかし千年眼このチカラの事は知らなかったと》
《……》

《武藤遊戯… 海馬瀬人 遊城十代… 不動遊星 成程成程》ソリッドビジョン 精霊 モーメント

《私と取り引きしませンか? 私にも取り戻したい『過去』が在る… 例え歴史を捻じ曲げる事になっても》

p.52 
「……」
「――そう例えDMが初めから生まれない事になったとしても ミスター榊

 私は既にMr.ZONEの同志なのです」

========================================

p.7
 ……、特に直させるツモリは無いのに、何で柚子にこんな事言わせてるんだろうジブン。

p.17
 えーと、映画によるとカナリ発展してました★→童実野町
 ただソッチは名目上、原作版の未来だそうなので。

 5D'sでの被害者数が実際はどれだけだったかは(ジブンには)分かりませんが→ゼロ・リバース
 桁が違うんだったら其方とも並行世界、という事になります。
 (いや、ARC-Vは元々そういう設定か)

p.19
 …うん、この辺を書イていて気付いたんだけれど。
 RSV技術を生物に使うと、神経系統を通してエネルギー(粒子や信号、=電磁系気)が
 一部または全身の細胞に作用する事にもなるんですよね。
 アニメで遊矢がズァーク化した際に姿が変わった事とか、ズァーク・レイ・零羅が赤ん坊に成った事への
 科学面からの説明は、多分コレでOKじゃないかと。
 (勿論、此処の会話で言われてる事とはエネルギーの量とかイロイロ違う)
 (カード化も似たような原理だろうか。もーチョット複雑な感ジはする)

p.22〜
 ……、思い付くままに当時は書いたんだろうと思うけど、果たして中学生でそんなに観察力や洞察力が在るモノなのか。
 (『友達』に対しては在るモノかも?)
 掘り下げ過ぎてるのか違うのか、書き手にも匙加減が分からない処。

p.29〜
 …この辺も、重複情報とか裏設定とかは(練り直し時に)削った方がイイんだろうか。

 あと全体的にペガサスの口調が半端かも。スイマセンねぇ。
 (んでまた左右マチガエてる訳ですが、並行世界の存在ならワザと逆の方がイイかも、と考えるだけは考えてミたり。)

p.40
 レガシーの攻略本によると、修造が引退した理由は娘の柚子が生まれたから★
 (14話はワザと負けた可能性も在るけれど、素で弱い感も否めない)

 ペットがいっぱい居るのにパート行けるのかなぁと後で思ったので、遊矢の家の設定は保留★

p.43
 …基本、海馬Coが用意しているDAは高校生前後(中学生〜大学生)に見える姿で 身長 低・中・高の男女 計6種類。
 (実はそれぞれで身長・体格は同じ)
 設定的な意味で言えば年齢トカは決まっていない。

p.44
 ……、夜中に意味も無く徘徊するAデュエリストが居て 偶然通りがかった、ではドウ考えても変なので。
 コの歴史での遊勝は取り敢えズこーいう訳で(自分から)あの場に来た、という設定です。
 →洋子との出会い(アニメ50話ぐらい)

p.49〜
 ……、ネタバレすると、この辺りの事は主に遊B3の伏線なので 遊B2では回収シません。
 原作・アニメDMと5D'sを知っているヒトなら、どうなるか大体の予想は付くと思イマス。


 …公式や後で出て来る設定と、合わなくなるようだったら修正★






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