とっぷ壊殻の海ノ物語遊戯王BrowsingU


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#017.登校&休み時間/LDG オープニング・セレモニー

p.1 【2017.10.1.Tue.】
「おっはよーう!!」

「――嗚呼 榊か おはよう」

「おはよう!」
「オハヨ」
「おはよう!」
「おはよ?」君違うクラスだよね

「おはよう!」
あ うん「おはよう」
「おはよう!」
「……」銅像

「ちょっと! 何 変な禁断症状 起こしてんのよ」

p.2 
「デッキが無い お風呂でもプールでも海水浴でもないのに」
「…… その状態でどうやって学校に来たのよ」

「今朝は――」

 「遊矢朝だよー」
 ホラ「さっさと顔洗って着替えな」
 「うん」

 「朝御飯食べな」
 「うん」
 「昨日言ってたデッキ貸しな」
 「うん」

 はい「学校行ってきな」
 うん「行ってきまーす」

「――ってな感じで 遅刻しないで済むなって余裕綽々しゃくしゃくだったんだけれど
 …… 校門に着いた処でデッキが無い事に気が付いて…」
「それであの防衛行動か」
「知らなきゃ訳わかんないの一言よね」全く

「こんな時にカードカツアゲする不良に会ったらどうしよう
 そしてヒッポ達が帰ってきたら暴走族になってたらどうしよう」
「……」
「?」

「1枚も持ってきてないの? カードはいっぱい持っている筈でしょ」

「それが… 今日に限って」
「あらま」
「うーむ」

p.3 
「…どうしよう デュエルモンスターズのデッキが無いなんて
 俺… 俺…

 今日の昼休み いったい何をしてどうやって遊んだらイイんだ!?」
「…… はたけ柚子」
「ラジャー」


「――いよいよ正式オープンね 此処で零羅と見させてもらってもイイかしら」

「――はい 母様」

p.4 
「織田さんを説得できなかった事は残念だけど もう2名ほどの講師を此方に回す事が決定しました
 セレモニーにも参列させて宜しいかしら」
「――はい 構いません」

「…… デュエルをするのは遊勝塾の関係者なのよね
 榊遊矢が舞網市で一番注目度の高いデュエリストとは言え 少しばかり複雑だわ」零児さんが自分でデュエル出来ればイイのに

「その件ですが …… 実は 舞網市に在る全てのデュエルスクールを このLDGに取り込めないかと考えています」

「取り込む…? 全てのデュエルスクールを?」
「――はい 彼らの誰かが『プロバイダ』となって私の敵に回るより 『ユーザー』として味方に付けておいた方が良いので」色々と

p.5 
「……」
「LDSのようにデジタル支部をLDGに作らせます 其処で各スクールの生徒達が互いにデュエルをする事が出来たり
 一般ユーザーが各スクールの一日入学のような事を イベントとして出来るようにする

 DMBのプレイヤーは世界中から集まってきます 舞網市の住民はともかく 殆どの者は本部のスクールに入塾できない
 スクールの数が多ければ多い程 プレイヤー達にとってはその個々は一時的な遊び場でしかなくなる」

「だけどLDGにとっては それらの各スクール支部が在る事自体が他には無い特徴となる
 彼ら自身をフロア・デザイナーにすれば 労せずLDGを大きく出来る そういう事ね?」
「…ええ その通りです」

p.6 
「分かったわ イイでしょう レオ・Co自体は全てのデュエルスクールに対して中立
 LDGもその方針であって構いません」零児さんの好きにおやりなさい
「…はい 御理解有難うございます」

「わたくし自身は零羅の世話でDMBをプレイする事は出来ないけれど それでも他のデュエルスクールに負けるツモリは在りません
 トップに立ち続けて見せますわ」
「――はい ではそろそろ時間ですから」
「…ええ」

 Leo Duel Ground Open

p.7 
「――へぇ こりゃまた随分変わったねぇ」
「…… 嫌な建物が建ってるな」 
「狭い事言ってんじゃないよ」修造さん

「…… 3人だけか 9時からセレモニーイベントでデュエルをする ――と聞いて見に来させてもらったのだが」
「…… そう言えば」

p.8 
「すいません よく考えたらこの時間帯は店頭販売もまだなので
 セレモニーは11時からに変更させて頂きます
「――嗚呼 この時間帯はまだ店頭販売が始まったばかりです
 実際のセレモニーは11時からを予定しておりますが
 御都合は宜しいでしょうか」 「! まぁそりゃそうだ 構わないよ」 あ 嗚呼「コッチも…」 「良かった
 ではこの時間は
 セレモニーの打ち合わせに変更させて頂きます」
 ではこの時間は
 セレモニーの打ち合わせを行いたいと思います」
「…嗚呼」 「その前にスタッフの紹介を 進行役の『ニコ』です」 「どうもー♪ ニコ・スマイリーでーす!」 「ニコさんかい …あまり顔くどくないねぇ」 「ゲームの仕様で余り個性的な顔と言うのは  此方は榊さんに柊さんに… 権現坂道場の方ですね?」 「――嗚呼 邪魔になるようなら帰るが」 いえ「見学して頂いて構いません  そうだ 伝えたい事が在ったので 忘れないうちに言っておきましょう …柊さん 権現坂さん」 「…?」 p.9  「舞網市に在る多くのデュエルスクールの生徒達を  このLDGの中で互いにデュエルさせ合う事は出来ないかと」←全部はまだ言わないのがコツ 「――良かったら考えておいて下さい」 「……」 「ではセレモニーの話に戻ります 会場は此処LDGタワー前 タワーの玄関口の端をそのまま司会用のステージとして使用します  ――ニコ  実際に立ってみてくれ」 「…はい」 「この辺り数十メートル四方を人払いして 其処で『ユーヤ』と『ヒメ』がデュエルをします  …デュエルの形式はスタンディング・デュエル セレモニーの目玉イベントであると同時に  新規プレイヤー達へ此処でのデュエルの仕方を教える為の模擬戦です」 p.10  「ニコ 途中からでイイので教えた通りに」 「――はい 『まずはデュエルをしたい者同士 その旨を伝え合って下さい』」 「…嗚呼 実行してやるよ」 「俺もだな」 「『それから適当に距離を取ります』」 「――と 彼が言ったら 二人は適当に距離を取って 向かい合って下さい」 「嗚呼 こんなモン?」 『決闘空間デュエルフロアオープン セットアップを行って下さい』 「このアナウンスが流れた処で ニコに『決闘空間』についての説明を行ってもらいます」 「…『今デュエルフィールドが見えますね?』『お互いの距離が近過たり遠過ぎたりする場合は此処で移動し直して下さい』  『決闘空間は周囲から見る事は出来ますが』『内部に入る事は出来ません』」 「…… 権現坂さん 試しに柊さん達に近付いて下さい」 p.11  「……」 「あ 消えた!」 「ふむ… これは面妖な」 「…『このように デュエルをする間』『プレイヤー達は別の空間に居る訳で』」 はい「戻って」 「出て来た」 「『こんな具合ですのでデュエルの最中 その場所を別のプレイヤーが通り抜ける事も出来ます』  『それではデュエルを始めて下さい』」 p.12  「――と ニコが言ったらデュエルを開始いたします  今はまだ本番ではないので 先攻の方がサレンダーして デュエルを終了させて下さい」 「分かった」 『デュエル終了 勝者ウィナーヒメ 決闘空間デュエルフロアクローズ』 「――『と いう訳でデュエルが終わったら空間も元に戻ります』『お付き合い頂き有難うございました』」 「ニコが退場するのに合わせて其方の建物の中に入って下さい 其処でお二人の出番は終了です」 「ふんふん」 「…分かった」 p.13  「後は… 本番ではボイスチェンジャーでお二人の声を変えて頂きます  そうですね 本番10分前には 今ニコが居る処の近くに ――打ち合わせは以上です  私とニコはログアウトしますが 御三方はこのままDMブラウザをプレイしていて構いません ただしセレモニーには万全な状態で」 「――嗚呼」 「ニコは戻ったら私の処へ来るように」 はい 「――それでは」 「…… 慌しいなぁ零児君」 「それとも何時もあんな感じかね?」 「さぁ… 余り話した事は無いからな」 p.14  「権現坂さんと話すのも久し振り…ですね」 「…うむ プロモーション・デュエルとやらでは話さなかったからな」見掛けはしたが 「デュエルスクール同士の生徒を此処でデュエルさせるという どう思います?」 「悪い話ではないが どうせなら舞網市外のデュエルスクールの生徒とデュエルさせる方がイイな」グローバルに 「その辺は… 後で零児君に伝えるとして 折角だしデュエルやりません?」11時まで2時間近く在るし 「いや… 儂はそろそろ…」 「いいからいいから p.15  「権現坂道場のが来るなんて 息子を引き入れておいた甲斐が在った―― と 言うべきかしら?」 「そうですね 成り行きではありまが」 「あの道場は舞網市のデュエルスクールの中でも特に息の長い処の一つ  攻略するなら早いに越した事は無いわ 他のデュエルスクールも取り込み易くなる」 「確かに… 臨浜町に在ったデュエルクラブの講師でしたか」 ええ「町内会主催のデュエルクラブだったのだけれど 『舞網市』が誕生すると同時に無くなる事になって」 それで道場を開いたようね 「ニコです お待たせ致しました」 「嗚呼」 「あらじゃあ私はこの辺で セレモニーを見にまた来ますわ」 「はい」 p.16  「…… もうすぐ10時 セレモニー無事に終わったかなぁ」 「気になるならメールで訊いてみれば?」 「……  …怖い って言うか母さんデュエルの事でメールした事なんて無いぞ どんな文章書けばイイんだ?」 「……」 じゃあ電話で もっと怖いー 「なーにビクビクしてんのよ さっきはヒッポが暴走族になるとか変な事も言ってたし…」 嗚呼「そうか 柚子は知らなかったな 遊矢の母親は昔その暴走族だったらしい」聞く処によると p.17  「知ってるわよ? お父さんから聞いたもの 昔の舞網町の方でレディースの総長やってたって」 「…そうか」 「…… 塾長も柚子も知ってたのか 俺だけ知らなかったなんて酷い…」 あら「遊矢が知らなかったとは思わなかったわ 結構パシリ性質あるじゃないアンタ」親がヤンキーなら納得よ「パシリ性質って何だよソレ 俺は別にそんなんじゃ…」 「榊―  黒板消すのちょっと手伝ってくれー」一人じゃ間に合わねぇ 「うん」 「…あれよ あの扱われ易さがパシリ以外なんだって言うのよ」 「…… まぁな」席後ろの方なのに呼ばれとる 「素直でお人好しって言えば聞こえはイイけれど  何も考えないで ただ言い成りになってるだけじゃないかって思う時も少なくないのよ」 p.18  「…… そうだな おまけに他人が怖いという心と だから嫌われたくない…という心が 生来の人間好きと相俟って  より卑屈で従順な性格を作り出している  幸いこのクラスには 其処まで遊矢をいいように扱おうとする者は居ないようだが」 「…… 沢渡が知ったらマズイわね 今日は学校で合わせないようにしないと」 『センターコートのRSVリアルソリッドビジョンの出力準備 ――間に合いました』 「――嗚呼 流石にエリアフィールド自体をこの広さに投影する事は不可能だからな」サイズが違い過ぎる p.19  ふふDMブラウザ映像デュエルを実際に見れば 織田さんもきっと考えを変えてくれるわ」 「…… 『出力』は決闘空間の部分だけなので 通常のスタンディング・デュエルと大して変わらない事になりますが」 「イイのよそれでも♪」 「はーい お集まり頂きましたLDS講師並びにレオ・Co社員の皆さん」私も社員ですけどねっ 「11時より始まります『LDG』のオープニング・セレモニー このLDSセンターコートにてライブ中継させて頂きます  LDGのフィールド自体は半径5キロ以上とかなり広い為 その一部分のみを別途スクリーンにて放映いたしております  しかし見て下さい人人人!」 p.20  「早くも数千人近い数の人々が このLDGにユーザー登録をして ゲームをプレイし始めた訳です  ――ま 他のエリアからのお客さんも居なくありませんけど」 「あーあー ホントだね 遊矢の声だ」 「後は本人の口調を真似して下されば」 嗚呼
p.21 
「…既に皆様も御存知の通り このDMブラウザは前社長赤馬零王様を通じて海馬Coより話を受け
 舞網市における販売と運営を現社長赤馬零児様が引き受けているものであります

 舞網市エリアのフィールド『レオ・デュエル・グラウンド』には既に多くのレオ・Co社員がスタッフとして導入されており
 またLDG内部に設けられましたレオ・デュエル・スクールのデジタル分校にも
 何人ものLDS講師が配属される事が決まっております まさにレオ・Co新時代!」

p.22 
「LDSの発展は 現社長零児様と母君にして理事長である赤馬日美香様の功績の為
 父君である前社長零王様の事を直接知らない社員・職員も多い事とは思いますが
 世代的に海馬Coの名前を知らない方は居ないでしょう!
 かつてデュエルリングやデュエルディスクなどを製造し
 ソリッドビジョン技術と共にデュエルモンスターズを世に知らしめた世界的な大企業だった会社です!

 そして表立ってはいませんが この企画にはDMの生みの親
 天才ゲームデザイナー ペガサス・J・クロフォード氏のインダストリアル・イリュージョン社も当然 関わっておいでです!
 そんな大企業と肩を並べる我らがレオ・Coの前社長こそ
 元海馬Coの社員であり 現デュエルアカデミアのプロフェッサーを務めておられになります
 前社長赤馬零王様な訳です」
おーっ

p.23 
「リアルソリッドビジョンを生み出したと言われる前社長零王様も天才なら
 息子の零児様も幼くして大学部を卒業し 若くしてプロ認定を受けた超・エリート・デュエリスト!

 レオ・デュエル・グラウンドはそんな零児様が心血を注ぎ
 依頼よりわずか一週間で作り出しました ヴァーチャル・ミラクル・ワールドです!」

 先日のプロモーションデュエルに在りましたように… 云々
「――それでは私もログインして 始めましょうオープニング・セレモニー!」 p.24  ワァァァア p.25 【11.1.Wed.】 うっひゃー「凄いモンスターの数 奮発したねぇ零児君」 「…実際何体居るんだろうな」 「2000体です」 ふーん… 『LDGにユーザー登録なされた舞網市民の皆様  並びに他のエリアよりお越しの方々 プロバイダの「レイジ」です    此処は言わばデュエリスト達によるもう一つの舞網市 デュエルを遊びデュエルを学ぶ  楽しく豊かなエンターテイメントの街として 発展させていく事が出来ればイイと考えています』 p.26  『でもってワタクシ LDGスタッフの一人 「ニコ」です  LDGオープン記念イベントとして ささやかながらセレモニー・デュエルを取り行いたいと思います  ちょっと皆さん この辺空けてくれますかー? …はい そのぐらいで結構です  対戦しますは先日プロモーションデュエルでも対決した デジタル・ランサーズのユーヤ選手とヒメ選手でございます!』 ワーッ p.27  「マニュアルにも書いてある事ですが DMBこのゲームにおけるデュエルの始め方の一つを簡単にお教えいたしましょう  まずはデュエルをしたい者同士 お互いにその旨を伝え合います』 よーし「デュエルするよ!」 「…うん」 「そして適当に距離を離すと 『決闘空間』という特別な空間がオープンします」 『――決闘空間オープン』 「はい アナウンスが聞こえましたね 光線でデュエルフィールドが表示されますので  近過ぎたり遠過ぎたりする場合は この時に移動して調整して下さい」 p.28 決闘空間デュエルフロアは外から見る事は出来ますが 中に入る事は出来ません  試しに何人かユーヤ選手達に近付いてみて下さい」ホーラ「消えちゃいましたね不思議でしょう  このようにデュエル中のプレイヤー達は別の空間に存在する事になりますので  他のプレイヤーがその場所を通って移動するのにも 何の不都合も無い訳です  でも人だかりが多いとやっぱり通り難いかな?」通ろうとする人には道を空けてやって下さいねー p.29  「――さて 説明はこのくらいにしておきまして シンプルながら基本スタンディング・デュエルを始めましょう!」 「戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が――」 いやだから「Aデュエルじゃないって」 アハハハハ 「掴みはオッケー 流石は榊遊勝の妻で榊遊矢の母親」心得てるわー 「素でボケたように見えますが」貴方も天然? 『――決闘空間 センターコートへの出力 問題異常ありません』 「…嗚呼」 「私のターン …… WW−グラス・ベルを守備表示で召喚」 Lv4 攻守1500 p.30  「効果によりデッキから『WW』モンスター アイス・ベルを手札に加える  ターンエンドよ」 『ヒメ選手 まずは守りに入りました ユーヤ選手のターンです』 よーし「俺のターン! ドロー!    魔法カード 『ペンデュラム・コール』!  手札の『EMバリアバルーン・バク』を捨てて デッキから『魔術師』Pモンスターを手札に  今加えたスケール1の紫毒の魔術師と スケール8の虹彩の魔術師をPゾーンにセッティング!  揺れろ! 魂の… ……」何だっけ  まぁイイや「レディース・アーンド・ジェントルメン!!  これによりレベル2から7までの モンスターが同時に召喚可能!!」 ワーーッ p.31  「現れろ! 俺のモンスター達!」 ――ペンデュラム召喚!!  オッドアイズ・セイバー・ドラゴン Lv7 攻2800  降竜の魔術師 Lv7 攻2400  竜脈の魔術師 Lv4 攻1800  黒牙の魔術師 Lv4 攻1700 『ユーヤ選手 手札を全て使って特殊召喚!!』 「アイス・ベルの効果で仲間を呼ぶつもりなんだろうけれど アンタに次のターンは無い!!」 p.32  「バトルだよ! まずはオッドアイズ・セイバー・ドラゴンで WW−グラス・ベルを攻撃! ――破壊!  そして3体の魔術師で プレイヤーにダイレクトアタック!!」 「ぐぁぁぁっ」 ヒメ LP→0 『決まったー!! 鮮やかなペンデュラム召喚と 怒涛の連続攻撃で見事 ユーヤ選手の勝利だぁー!!』 ワァァァ 「…ふん」 じゃなくって「イェーイ!!」 イェーイ!! p.33 勝者ウィナーユーヤ 決闘空間クローズ』 「 ――と アナウンスが鳴ったら デュエルは終了です  ちなみにこの時 決闘空間の在る処を他のプレイヤーが通り抜けようとした場合  ぶつからないように決闘空間の中に居たプレイヤーのDAの方が 位置をずらされる事が在ります」詳しくはマニュアルを御覧下さい 「凄かったー!」 「スタジアムで観戦するより断然間近!」超迫力 「…くそっ」 「イイなぁ最前列」 「あのユーヤって奴 プロの榊遊矢なんだろ?」「素人の子が勝てる訳ないじゃん」 「でもあの子 確か榊遊矢と同じ 『ランサーズ』の一員だったんじゃなかったかな…」 「2400+1800+1700…」「……」「モンスター1体要らなくね?」 「意外に容赦ないんだなぁ」「まぁ特殊召喚ペンデュラムが出来るんだったら全部出せって感じだし」 「召喚したんだったらソリッドビジョンには全モンスターで攻撃を」 ペンデュラム・コール 使わなかったらつまりは何だ? うーん p.34  「それでは セレモニー・イベントはこれにて終了  皆様 引き続きDMブラウザと レオ・デュエル・グラウンドにおけるデュエルをお楽しみ下さい」 よし やるぞ! おー 「どうかしら 織田さん この迫力 此処コンピュータールームよりセンターコートの方で見た方が良かった?」 「…いえ 此処までして頂いて心苦しくは在りますが  RSVリアルソリッドビジョンの技術がどうこうではないのです  DMBは匿名性が高い一方で 下手に個人情報を公表したりしたら世界中にそれが知れ渡ってしまう  そのようなモノをLDSの卒業生試験に使う事は出来ないと」 「……」 p.35  「DMブラウザでの通信教育講座も考えているのですが 企画の宣伝にもなって一石二鳥だと思いません?」 「入学当時の規定には存在していなかった事です 保護者達の同意を取らずにこういう変更をするのはどうかと」 うーん… 「…御苦労だった 3人とも ユーヤとヒメはもうログアウトするなり デュエルをしに行ったり 自由にしていい ――ただし  本物の『ユーヤ』と『ヒメ』でない事がバレないよう 今日一日はLDGに居ない事を推奨します」 「それはイイんだけどコレってバイト? タダ働きって事は デジタル・ランサーズの仕事もタダ?」 「…… デジタル・ランサーズ 給料…はそうだな 払わない訳にもいかないか」 p.36  「しかし全員中学生だし 彼らの士気や良心をそのような理由で揺るがすのは何とも」 「ヨーコさん 零児君 困ってるじゃないか」よく分かんないけど あっはっはー「イイよイイよ デジ何とかはタダって事で」 「そうですか では今回のデュエルに関する報酬の件は ニコと同額という事で…」 「気にしなくてイイのに けどもらえるんだったらもらっておく」 「ルーズだなぁヨーコさん」 「……」 《ルーズで金に汚くて 勢い任せで行き当たりバッタリ》ズァークとは気が合っていた 《…有り得る… 或いは榊洋子が百合の前世という可能性も》そう言えばどのくらい未来なんだか p.37 【11.2.Thu.】 「――手厳しい事を言わせてもらえば このDMBというゲームは充分プレイしましたよ」 「!」 「十数年前の技術とまるで変わっていませんね」 「……」 「あら… プレイなさっていましたの」 「――ええ 貴方は」 「わたくしは零児さんが小さかったので」当時は興味なかったと思いますわ 「…それもそうですか」 「――中島 お前はどうだ DMBをプレイしていた記憶は在るか」 「…いえ 親にねだった記憶は在りますが…」実際に買ってもらったかどうかはよく覚えてません 「…… そうか RSVを外部へ出力する装置  これが一番危険だった訳か ようやくあの時の合点がいった」 p.38  「あの時…? 織田さん何を仰って」 『――決闘空間オープン センターコートに出力します』 「――嗚呼 どうやらもう充分のようだ デュエル中継をやめて 皆に仕事に戻るように伝えてくれ」 『――はい』 「…では わたくしもこれで失礼させて頂きます」 「…でも」 「いったんLDSの敷地内を出ますが 午後の講義までには戻りますので御心配なく」 「…そう」 「…嫌ぁね 取り付く島も無いってこの事かしら」 「…母様 今は西暦何年ですか?」 p.39  「? 2017年でしょう」 「…中島 お前はどう記憶している」 「同じく… 2017年だったと思いますが」 「…そうか」 「――? 変な零児さん」どうなさったの? 「……  今朝10時 販売店に頼んで簡単なアンケートを取らせました」 「…?」 「デュエルモンスターズブラウザについて 知っている事を出来る限り書いて欲しいと」B6用紙の範囲ですが 「……」 「簡単に集計を取らせましたが かつて販売されていたという事実について知っている者は少なく  正確な発売年代も特定できない そしてRSVを使ったゲームだという事以上に その内容をシッカリ覚えている者は居ない」 p.40  「それって…」 「織田講師ぐらいです 当時のDMBがどの程度のSVを使っていたかを断言したのは」 「……」 「昨日さくじつ 海馬Coのモクバ副社長と話していて気が付いたのですが  彼方あちらと此方… 時間のズレている可能性が在る もしかしたらペンデュラム次元と融合次元の時代自体が」 「…… 時代自体が違う… と言いたいの?」 「次元統合アーク・ファイブの残滓の影響… いや寧ろ次元分裂の方かも知れない」 p.41  「……」 「確認も兼ねて父に連絡を取ろうとしましたが どういう訳か電話が繋がらない」向こうから掛かってきた筈の番号に掛けた筈ですが 「……」 「今まで特に此方から彼方あちらに連絡するような事は無かったので ずっと気付きませんでしたが――  …… 母様?」 ふ…「ふぇえ」 「!」 「ふぁあ ああん」 「――嗚呼 ミルクね よしよし」 「……」 「中島 哺乳瓶」 「…はっ」 はい「零羅 ミルクよ 慌てないでゆっくり飲んでね」 …… p.42  「セレモニーイベントも終わったし わたくしはそろそろ理事長室の方に戻るわ」 「…はい」 「織田さんへの説得は また別の機会にする事にしましょう」 「……」諦めてはないんですね 「…… ズァークが『復活』する脅威は去った」  しかし「『ズァーク』自体が未来の存在であるとすれば これから先『覇王龍ズァーク』が誕生する可能性はゼロではない」 寧ろ誕生してくると考える方が自然だ 歴史としてループしていないとおかしい p.43  「それを見越した上で 世界がまた四つに分裂し 更には時間と空間をずらして『ズァーク』を封じ込めていると言うのなら  …… 推測の域をまだ出ないな ――済まない 今言った事は…  …いや 万が一という事も在る 此処に居る者たち全員 私が今言った事を出来得る範囲でいい… 覚えておいてくれ」 「…はい」 「――退室する 君達ももう御苦労だった 当番の者以外は上がっていい」 「…はい」 とか言って一人でエレベーター使われると降りられないんですけど 社長ーー p.44  「ズァークが… 誕生? 未来の存在ってどういう事かしら」 んー「よく分かんないけどメモしておこうよ」忘れないうちにさ 「実際あんな怪物がまた出て来る事になったらヤバイし」 そうねー… ――破壊と創成 原初と終焉 ――全てを束ねし至高の竜! 「覇王龍 ズァーク!!」 p.45  『…その身を以って知るがいい 比類無き覇王の力を!  カードゲーム「デュエルモンスターズ」最新パック 「マキシマム・クライシス」発売中!』 「…へぇ カードのCMなんかも流すんだ」 「色々面白いなー此処 2階の方にも上がってみようぜ」 「出来ません 2階より上はLDGの運営スタッフ及び LDS生徒の専用フロアとなっております  一般のプレイヤーは この1階 サポートセンター・フロアまでです」 ふーん「そうなのか」残念だねー p.46 メッセンジャーモンスター 変えたいんだけどー」 「マニュアルの該当ページをお読み下さい」 「ライディング・デュエル 出来るってー?」 「…はい」 「一体どうやったらイイの」 「マニュアルの該当ページをお読み下さい」 「該当ページって言ったって――」 「キーワードから検索する事が可能です 画面右上に在る単語入力欄を指タッチして下さい」 えーと… 「ゲーム中にマニュアルを見る方法は…」 p.47  「…… 予測の範囲内ではあるが やはり説明書マニュアルを全部読まずにゲームを始めたプレイヤーが多いな」 「――はい 引っ切り無しですね」寧ろそれ以外の質問が無い 「――ま それを見越した上で君達オペレーターを置いている 質問の度に給料が増えると思って頑張り給え」単調な作業で済まないが 「はい」 ★ポスターの表示シーン追加  サポートセンターへの質問の前に  解決方法がマニュアルに掲載されていないかどうか御確認下さい  モニター画面右上の入力欄からキーワード検索できます 云々 《ユーザー登録と監視システムについては自動プログラムを用意しておいたから》あと各種デュエルのフロア・フィールド・イベントも 《私に残った仕事は「LDG」カードの完成と カタログその他のインストール…という処か》デジタル・ランサーズの出番が無ければ  昼食にはまだ早いから― p.48  「カタログの方は 今は商品の配送待ちと レオ・Coの仕事も全て社員達に割り振ってあるから… 暫く暇か?」 《LDGカードは他にどんな機能が必要だろうか 使った後で変更… という訳にはいかないから悩むな》 「仮設定でのテストか何か出来れば良かったが 其処までの時間や人事は取れなかったしな」慌しくって 『2分32秒 行動の無いプレイヤーに 別のDA2体が接触・運搬を開始しました』 「…そうか 不本意だがデジタル・ランサーズ初出動のようだな」 ======================================== p.1  ……銅像のデザインは如何様にも。 p.7  …、前回と合わせて、修正するかどうか迷ってきた処。★ p.8  …後で気付イた間抜けは自分★(=書き手)  零児はさも最初っから予定通りだったように言うだろうから修正案。 p.10  …原稿じゃ薄いかもだけど、要するに足元手前にカード位置を示す線が出る。 p.19  ニコの正確な所属:…実際は知らナイけど、遊B2内現在はそういう事で…。  あとLDGの設定チェック★ p.21〜  …ほぼ確認用ッぽいので、無駄だと思ったら練り直し時に省イて可☆ p.29  基本的な、でも  グラス・ベルは攻撃表示に修正★  p.30のニコの台詞も変化する p.33  柚子がランサーズ:…ミスなのか、セレナと間違えてるって設定で書イたのか覚えてない(汗)  そういう訳で後者って事で―☆  あと書いてないけど、DMB及びLDGの各地には中継モニターが在るンで、  このデュエルの様子はLDGに居たプレイヤー全員が見れている。(なんか後付けぽい?) p.34  公開でも p.39〜  自分用チェックー★ p.43  …確認した範囲では、あのエレベーターは零児の部屋(社長室)の上から此の部屋(管制室)に行けるようなんですが。  直通なのか、いったん普通の社員が出入り出来る処に出るのか謎なんですよね……。  沢渡や遊勝が乗ってきた事を考えるに、後者かな??(=オペレーター達も使う)  …公式や後で出て来る設定と、合わなくなるようだったら修正★





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